- 空の日
- バスの日
- お手玉の日
東京には空が無い。
これは詩人の高村光太郎が、妻智恵子の言葉を引用した有名な詩の
一節である。*1
なんという深い言葉だろうか。
この詩が綴られたのは、もう半世紀以上も前のことだから、その時代の
東京の空は、まだ今のように汚染されてはいなかった筈である。
それでも、智恵子の故郷、阿多多羅山*2を望む大自然の中の青い空とは
大きく異なっていたのだろう。
もし、今の東京を智恵子が見たらどうなるだろう。
光化学スモッグで汚染され、乱立するビルの陰に隠れて、見渡すこと
さえできない空を。
空が無いどころか、言葉さえも無くしてしまうのではなかろうか。
そういえば、僕もしばらく東京では空を見上げていないなぁ。