餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や将棋の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

スポンサーリンク

「一太郎」販売禁止

スポンサーリンク

第一世代の発売から20年。
ワープロソフト界の先駆であり、来る2月10日に最新バージョンの
発売も控えていたというのに…

松下電器産業が、同社の特許が侵害されているとして、ジャストシステムに対し提起していた訴訟で、東京地方裁判所民事第47部(高部眞規子裁判長)は、ジャストシステムに、ワープロソフト「一太郎」、グラフィックソフト「花子」の製造、販売差し止め、廃棄を命じた。松下電器の特許は、89年に出願、98 年に登録されたもので、アイコンの機能説明を表示させるヘルプ機能についての技術だ。ジャストシステムは、今回の判決を不服として控訴する方針で、一太郎の最新版「一太郎2005」も予定通り、2月10日に発売する意向だ。同地裁は仮執行は認めなかったため、判決が確定するまでは、販売は継続できる。

これほどまでに著名なソフトが、販売差し止めの判決を受けたケースというのは、
僕の記憶の中にはない。
今朝の朝日新聞1面を飾っているほどだから、相当衝撃的な事件であるのだと思う。


僕は「一太郎」のユーザーではないから、今回訴訟の焦点となった機能について、
直接確かめることはできなかった。
しかし、その機能については新聞やWebに詳細な記載がされていたので、それらに
基づいて意見を書いてみたい。


松下が訴えていた《自社の特許》というのは、以下のページで参照もできるので、
それについてもよく読んで確認をしてみた。


「特許公報」第2803236号
http://www.ntspat.co.jp/pdf/B92803236.pdf


公報であるから、その表現方法が難解なのだけれど、くだけて言うと、


「アイコンの機能説明をさせる第1のアイコン」をクリックしてから第2のアイコンを
クリックすると、第2のアイコンの機能説明をしてくれる処理(ITmedia)


ということになるようだ。


特許についての認識が甘いと言われることを承知で告白すれば、僕は、こんなことが
特許となり、しかも、販売差し止めにまで繋がるとは思わなかった。
それだけに、個人的にはかなり驚いている。
乱立するソフト業界では、いくらでも日常的に起きているような気がしたからだ。
こんなことで特許侵害になってしまうのであれば、何でもかんでも侵害としな
ければいけなくなってしまう。
だから、ジャストシステム側では、「一太郎」バージョンアップの際に修正できる
チャンスはいくらでもあったにも関わらず、機能搭載を続けていたのではないか。


しかし、判決は判決だ。
その効力がすぐ及んでしまう仮執行宣言は避けられたし、控訴も行われるよう
なので、この判決がそのまま販売禁止に繋がることはなくなった。
そうはいっても、ジャストシステムにとっては痛いことは間違いない。
2月10日に発売予定の「一太郎」新バージョンにも、この機能は搭載されて
いる筈で、大きな痛手を被るだろうことは必至だからだ。
抱き合わせ販売による法人一括導入に支えられて、機能などは二の次の「Word」と
異なり、「一太郎」はソフトそのものの実力で勝負してきただけに、それが特許
侵害となるのは、本当に痛い。


ジャストシステム側は、断固として戦うという姿勢を崩していないのだけれど、
「一太郎の画面上のボタンはアイコンにあたらない」という主張には、僕は
相当無理があると思う(あれをアイコンと呼ばずに何と呼ぶのだ)ので、
今後も相当厳しい展開が予想される。


僕は思うのだ。
何とか和解の道を探ることはできなかったのだろうかと。
この先まで争って、「一太郎」が完全差し止めになってしまったら、本当に困るのは、
これまで「一太郎」を信頼し続けてきたユーザーたちである。
今更「Word」なんかに移れる筈はないと思うからだ。


僕は、過去「一太郎」を少し囓っただけのユーザーに過ぎないが、ほんの短期間
でも、その機能のわかりやすさ、使いやすさは、当時の「Word」と比べ物に
ならなかった。
その後僕は、会社との互換性で「Word」を選ばざるを得なくなり、今では
不本意ながら「Word2000」しか使えない体になってしまった。
ただ、この「Word2000」たるや、余計なお節介機能満載の上、段落概念がないと
使いこなせないという不自由ぶりで、正直、仕事以外では1分たりとも使いたく
ないし、エディターやEXCELで代用できる部分は、すべて代用しているぐらい、
不愉快なソフトだ。
もちろん、「Word」もその後のバージョンでは改善されているかもしれないが、
ユーザーの利便性という点では、「一太郎」の足下にも及ばないと確信する。


だから、僕のような部外者からの意見とは比べ物にならないほど、「一太郎」
ユーザーの思いは切実な筈だ。
僕も、今は単体でATOK(昔は一太郎とセットでないと使えなかった筈だ)を使用
しているからわかるが、これがもしなくなって、MS-IMEを強要されることになって
しまうと、考えただけで寒気がしてしまうくらいだから。


「Word」の不愉快機能や「MS-IME」の不愉快変換については、書きたいことが
山ほどあるのだけれど、話がそれてしまいそうな別の機会に譲ることにしたい。


マラソン・ジョギングランキングへ