いざ、北鎌倉から江ノ島へ。
最強のニンニク餃子パワーに後押しされて、スパートをかけようと思っていた僕は、大きく出鼻をくじかれた。
とにかく道が狭い。狭すぎるのだ。
古都鎌倉、山合の街道は、ゆっくりと散策するには向いているかもしれないが、決してランニング向きとは言えない。
時はゴールデンウィーク真っ盛りであり、天気も上々。歩道は人だらけだし、車道にも車がびゅんびゅん行き交うので、僕は、何度も何度もストップせざるを得なかった。
建長寺。
鶴岡八幡宮。
こうなったら、ゆっくり鎌倉観光でもしたいところだったのだけれど、現地での集合時間(14:00)が迫っていたので、そんなにのんびりしている暇もなかった。
鶴岡八幡宮、参道入口。
この辺りまで来ると、観光客の数も少なく、道も広くなってきたので、僕はようやく、ランのペースを取り戻しつつあった。
そして。
海だ!
待ちに待った、湘南海岸の情景。いやぁ、東京から走り続けて、遂にここまで来たんだなぁ…と思うと、僕は本当に感慨深くなった。
時は、午後1時を過ぎ、気温がかなり高くなっていたけれど、それよりも、海を見ながら走れる爽快感の方が断然上。
道も広々としていて、申し分のないコース。鎌倉の狭い道でストレスがたまっていたこともあり、僕は、本当に気持ちよく走れた。
このまま、ゴールまでこんな道が続けば申し分なかったのだけれど、残念ながら、少し進むと工事区間になり、道路の反対側、狭い道を走ることになる。
観光客も増えてきて、半分歩き気味になってしまったが、今度は、鎌倉の時ほど落ち込まなかった。
僕は、家からここまでひとりぼっちで走り続けてきたが、ここで、同じゴールを目指すラン仲間と合流でき、話をしながら楽しく走れた上に…。
江ノ島が見えてきた!からだ。
僕の脳裏に、懐かしい「勝手にシンドバッド」の歌詞がリフレインする。ワクワクが止まらない。
ここまで来れば、もう、上陸まであと2km程度。心が沸き立つ。
街道から江ノ島へ向かう橋は大混雑で、走るどころか、歩くのだって、スムーズにはいかないほど。
しかし、全く焦る必要はなかった。ゴールは、もう、目の前だったからだ。
フィニッシュ地点は、江ノ島ヨットハーバー。
僕が到着したのは、ちょうど、集合時間の14時ぐらいだったが、もう、かなりのメンバーが先に着いていて、ロビーでは、皆、スッキリとした顔で、0次会(?)を開催していた。
なぜ、スッキリしているかというと、ここには、220円で使える温水シャワーが用意されているから。
もちろん僕も、当然、ゴールするや否や、シャワーを浴びることにした。
いやはや、なんだかんだで71km。
去年のG.Wに実施した、「東京~宇都宮 ひとりウルトラマラソン」の100kmには及ばないが、我ながら、結構走ったものだと思う。
去年は、70km地点の小山あたりで、かなり疲れていた記憶があるのだけれど、今年は、十分な余力も、そして食欲もあった。
いや、「食欲もあった」などというレベルじゃない。
シャワーを浴びてスッキリした身体は、ロングランのご褒美を、今か今かと待ちわびていたのだ。