餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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歴史に残る1冊!《新潮~創る人52人の「2020コロナ禍」日記リレー》特集号が超絶圧巻!!

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2020年は、地球に生きる全人類にとって《特別》な年になった。

それまで、毎日当たり前のように繰り返されてきた日常が、激変してしまったからだ。

前年の12月に、中国の武漢で発生したと言われる新型コロナウィルスは、年初から徐々に広がりを見せ、世界中に広まっていく。

そして今も、まだその変容は、終息を迎えていない。

まるでパニック系SF映画を見ているような《非現実》が、現実になってしまった世界。

それが2020年だと言える。

これから10年、20年が経ち、ウイルスが消滅した世界が来た時、いったい、この時代はどのように語られていくのだろう。

今は全く想像がつかないけれど、20年も経てば、「コロナを知らない子供たち」だって出てくる筈。

そんな未来に、是非とも残しておきたい1冊が発売された。

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新潮 2021年 03 月号

文芸雑誌『新潮』の、2021年3月号。

《創る人52人の「2020コロナ禍」日記リレー特集》号だ。

『新潮』誌における日記リレー特集は、今回が初めてではない。この企画が誕生した11年前、僕は、こんなエントリーを書いている。

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出版史上空前の名企画。編集者には喝采を送りたい。(中略)

これほどの作家たちを、「日記でリレーさせる」という発想がとにかく素晴らしい。

掌編やエッセイなどで作家を一堂に会させる企画は数多くあったけれど、日記で繋ぐ特集というのは見たことがなかった。何より、その企画力に脱帽。

「新潮〜小説家52人の2009年日記リレー」特集に喝采 - 餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

この時僕は、「出版史上空前の名企画」と書き、「絶後になって欲しくない」と結んだ。

僕の願いは実り、『新潮』誌では、その後も何回かリレー日記特集号が発売されている。

今回は、2018年 03月号 以来、3年ぶりの特集だ。

2010年当時のエントリーでも書いたけれど、この特集に掲載される日記は、公開することを前提に書かれているのだから、いわばひとつの『作品』。

それが52本もまとめて味わえるというのは、まさに圧巻。

今回、2021年号に登場するのは、小説家だけではない。

音楽家、美術家、演出家…など、さまざまな《創る人》たちが、週替わりで日記をリレーしている。

f:id:ICHIZO:20210208021629j:plain筒井康隆/町屋良平/松田青子/ブレイディみかこ/柴崎友香/菊地信義/菊地成孔/小山田浩子/ヤマザキマリ/町田 康/佐伯一麦/角田光代/朝吹真理子/高橋源一郎/石原慎太郎/植本一子/内沼晋太郎/金井美恵子/山城むつみ/水村美苗/飴屋法水/今村夏子/東 浩紀/エリイ/大竹伸朗/島田雅彦/青山七恵/桐野夏生/高山羽根子/滝口悠生/小川洋子/坂本慎太郎/千葉雅也/塩田千春/津村記久子/多和田葉子/いしいしんじ/金原ひとみ/池田亮司/ケラリーノ・サンドロヴィッチ/村田沙耶香/柳 美里/上田岳弘/近藤聡乃/黒河内真衣子/柄谷行人/宇佐見りん/平野啓一郎/坂本龍一/青葉市子/川上弘美/蓮實重彥

いやぁ、何とも素晴らしいラインナップだ。

個性に溢れた《創る人》たちが、さまざまな視点で語る、特別な年の1週間。

新型コロナウイルスに関する言及が、初めて登場するのは、2月5日~の週を担当した、菊地信義さん(装幀者)の日記から。

2月3日に横浜港へ寄港した、大型遊覧船(ダイヤモンド・プリンセス号)に関する記述だ。

その後の日記で綴られる世界は、週を経るごとに、非日常的な情景が増殖。

数年前には、あり得ないと思っていた世界が、それまでの日常を塗り替えていく。

僕は、まるでSF小説を読んでいるかのような幻想に陥ってしまった。

しかしこれは、紛れもない現実であり、決して目をそらすことのできない「新しい世界」の誕生なのだ。

そんな世界を、《創る人》たちが綴った今号の『新潮』は、歴史に残る1冊と言えるだろう。

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僕の敬愛する筒井康隆先生は、2020年の第1週。初回の日記で登場。

この時点では、まだ日本国内でのコロナ感染者はおらず、筒井先生もコロナウイルスには言及されていない。

だから、至極平和な年明けの日常を綴った日記のようにも読める。

…が、ツツイストにとっては、切なさで胸が痛くなる日記でもあった。

いったいなぜそう思うのかについては、悲しくなるから書かないけれど。

新潮 2021年 03 月号

新潮 2021年 03 月号

  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 雑誌
 

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