「 SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021」は、今年新たに創設された、将棋界の準公式戦だ。
この棋戦は、ファン投票+予選にて選出された東西各5名の棋士により、決勝戦(オールスター東西対抗戦)を実施するもの。
持ち時間は、チェスクロック使用で一手30秒未満(初手から30秒将棋)ということで、スピーディな勝負が楽しめそうだ。
将棋は、基本的に1対1の勝負となるのだが、これは、将棋の棋士が、日本の東西に分かれて存在していることを踏まえての、東西対抗戦という形になる。
昨今は、ABEMAトーナメントによって、団体戦の人気が高まりつつあるので、この棋戦にも大いに期待したい。
ファン投票は、1日1回、東西の棋士を各1名指名でき、受付期間(2021年8月13日 ~ 8月31日23時59分)中は、何度でも投票可能。
毎日同じ棋士を投票することもできるし、日ごとに変更してもいい。
僕も、毎日、こんな風に投票を続けてきた。
東は羽生九段、西は山崎八段。僕の最も好きな棋士ふたりだ。
羽生九段は、僕が投票しようがしまいが、東のトップ当選は間違いないと思っていたから、本当は、山崎八段に2票入れたかったのだけれどw
昨日、そんなファン投票の中間結果が発表になった。
東は羽生九段、西は藤井二冠が、それぞれトップ。
これは予想通りなのだけれど、投票数を見て驚いた。
羽生九段(永世七冠)が15,935票なのに対して、藤井二冠(王位・棋聖)は、40,973票も獲得している。なんと、ダブルスコア以上だ。
羽生九段は、今でこそノンタイトルになっているが、永世七段だし、国民栄誉賞も受賞しているから、将棋界での人気は図抜けていると思っていた。
しかし、それさえも楽々飛び越えてしまうほど、藤井二冠の人気は凄いということなのだろう。
あらためて、将棋界における藤井二冠の人気ぶりには舌を巻いた。
それぞれの二位は、東が永瀬王座、西が豊島竜王(叡王)となっている。
どちらもタイトルホルダーなので、当然の結果とも言えるが、僕は、渡辺名人が東の2位になると思っていたので、若干意外だった。
現在、将棋界最高峰の名人位に加え、棋王、王将も獲得している渡辺三冠が、2位に入れないとは…。
あんまり思い出したくないのだが、数年前の「あの」事件が尾を引いているということなのだろうか。
3位以下の結果は以下の通り。
渡辺名人は東の3位となっているが、永瀬王座とは4,000票近く差がついており、ちょっと苦しい印象。
西の3位、「西の王子」と呼ばれる斎藤八段も、豊島竜王とは3,000票近くの差があるから、逆転は難しそうな気がする。
面白いのは、4位以下だ。
東は、「将棋の強いオジサン」「千駄ヶ谷の受け師」として有名な木村九段、「もうひとりの藤井」「藤井システム」の藤井九段。
西は、そして僕の一押し「西の(元)王子」山崎八段と、同門の弟弟子糸谷八段。
個性豊かな面々が並び、これでこそファン投票!という気がする。
僕は思う。
折角ファンからの投票で出場者を決めるのだから、誰でも予想できる上位2名だけでなく、上位5名ぐらいまでは、投票で出場者を決めてもよかったのではないか。
あるいは、ファン投票上位3位~5位は、二次予選からの出場にするとかしないと、せっかく上位に入っても報われない気がする。
今回のシステムだと、ファン投票で3位や4位に入っても、結局、予選では、ランク外の棋士たちと普通に戦って勝たないと、本線には出場できないからだ。
それじゃなんだかもったいない。