昨日の日曜日は、終日、叡王戦を見て過ごした。
叡王戦は、将棋界8大タイトルのうちのひとつで、最も歴史が新しい棋戦になる。
現在のタイトルホルダーは、竜王位も有している豊島将之叡王。
「序盤・中盤・終盤、隙がない」棋士として、棋界では有名だ。
そんな豊島叡王ではあるが、今回は、かなり追い詰められていた。
決して豊島叡王に隙が出てきたわけではないと思うのだけれど、藤井二冠の持つ底力が、叡王を圧倒する勢いを持っていたからである。
叡王戦は、今年から5番勝負に変更。(昨年までは7番勝負。)
先に3勝した方がタイトルを獲得できるが、ここまで藤井二冠の2勝1敗。
藤井二冠にとっては、《王手》がかかった状態で、豊島叡王にとっては《カド番》と言える状態になっていた。
藤井二冠は、昨日勝ってタイトルを奪取すれば、史上最年少での三冠という記録が誕生するところだった。
豊島叡王としては、失冠した上、そんな記録のサポーターになってしまうのは避けたかったに違いない。
だから僕は、豊島叡王の意地に期待しながら、食い入るように戦いを見つめていた。
そして、そんな僕の期待に応えてくれるかのように(?)豊島叡王は、完璧な差し回しを見せた。
研究を重ねた手順を披露して序盤を優位に進行。中盤・終盤も隙がなく、リードを広げていった。
そして。
1分将棋*1に追い込まれた藤井二冠は、一度も秒読みをされることなく、「負けました。」と頭を下げた。
豊島叡王の完勝だ!
これで、叡王位の行方は、9月13日の最終局に持ち込まれた。
僕は、今からその日が本当に楽しみで仕方がない。
豊島-藤井の勝負は、王位戦7番勝負も同時進行中で、こちらは、現在、藤井王位の3勝1敗。あと1勝すれば防衛が決まる。
豊島二冠(竜王・叡王)が、ここでも意地を見せるのか、藤井二冠(王位・棋聖)が、すんなり防衛を決めるのか。
その勝負は、なんと、明日24日に開幕する。*2
移動日も考慮すると、ほぼ、休日なしでの対決が続くことになる。
いやはや、なんとも凄まじいハードスケジュールだ。
藤井二冠は、現在、竜王位の「挑戦者決定3番勝負」にも進出しており、第1戦で永瀬王座に先勝。後1勝すれば、竜王戦への挑戦が決まる。
そして、現在の竜王は…。
他ならぬ豊島将之竜王なのである。
この二人の対決は、いったいどこまで続くのか。将棋ファンとしては、目が離せないところだ。