至福の時間は、終わらない。
「筒井康隆展」記念として開催された、そのイベントでは…。
筒井先生としょこたんによる超絶トークに続いて、先生による自作朗読が行われたからだ。
今回、先生が選んだ作品は…。
「馬」
1997年に発表され、短編集「魚籃観音記」に収録されているものだった。
僕はもちろん、単行本でも、文庫本でもそれを読んでいる。
ページ数としては14ページほどの、いわば掌編と言えるものだけれど、切れ味がよく、僕がとても気に入っている作品だ。
この作品には女性(…というか何というか^^;)の会話が多数出てくるのだけれど、先生曰く、女性の台詞を読むのは苦手なので、だから、その部分をしょこたんに読んでもらいたかったようだ。
この日は、しょこたんに別件*1が入っていたため、それは実現しなかったのだけれど、でも、全く問題はなかった。
先生の朗読による「馬」は、女性の会話部分も含めて、やっぱりとても素晴らしく、僕はそれを十分に堪能させていただいたからだ。
朗読終了。拍手喝采。
10分間の休憩を挟み、夢のイベントは、第三部のオークションに雪崩れ込んだ。
このオークションタイムに限り、撮影・録音フリーということなので、僕は、心置きなく写真を撮らせていただくことにした。
筒井先生の秘蔵品オークションは、前回イベントに引き続き二回目となるが、今回も夢のようなアイテムが多数用意されていた。
出品リストを眺めるだけで、心が躍る。
どれもこれも貴重で、目移りしまくったが、今回、僕が心を特に惹かれたのは、最後のページ。
筒井先生ご愛用のメガネ、サングラス!
そして、「ダンシング・ヴァニティ」のフィギュアだった。
ダンシング・ヴァニティ
そう、この本の表紙に掲載されている、実に印象的なフィギュア。
写真では2体だが、実際は1体しかなく、この作品のためだけに作られた、「超」レアなフィギュアとなる。
僕は、僥倖にも、前回のオークションイベントにて、《断筆人形》を落札させていただくことができた。
だから僕は、超レア人形繋がり(?)として、このフィギュアも、なんとかゲットしたかった。
ということで、今回は、これ1点に絞ろう!と心に決めてオークションに臨んだ。
筒井先生、ご登壇!
今回も、オークショニアは先生ご自身が務められると言うことで、先生の呼吸を「読む」ために、神経を集中して臨んだ。
なぜなら、前回のオークション形式は、異色極まる形式で行われたからである。
僕は、当時のエントリーで、こう書いた。
さまざまな価格の声がかかると、「一番高い金額」ではなく、「筒井先生が適正だと思われる価格」で落札されるのだ。
だからこそ僕は、超レアグッズである《断筆人形》を、なんと、5,000円という破格値でゲットすることができたのだ。
どう考えても安すぎると思うのだけれど、たぶん、先生の呼吸に合っていたのだろうと思う。僕は、あらためてその僥倖に感謝した。
ということで、今回も、その夢よ再び…と思い、先生の呼吸を読むことに集中したのだ。
しかし…。
僕の夢は、残念ながら実現しなかった。
今回は(前回に比べると)至って普通のオークション形式になったからだ。
もちろん、筒井先生ならではの温かいご配慮があり、法外な金額までつり上がる前に落札決定されていたし、落札金額の決定後に、先生が値下げ(!)してくださる、ということもあった。
だから、どのコレクションも、落札金額以上の価値は十分にある結果となっていたが、ただ、そうなると財力勝負。
なにしろ、しょこたん曰く「ガチ勢のツツイスト」が揃っているのだ。僕など、太刀打ちできる筈がない。
結果…。
オークションの掉尾を飾ったこのフィギュアは、7万円(!)で落札されることになった。
ただ、そのレアっぷりを考えれば、7万円はむしろ安いほど。
僕の友人ツツイストも、「8万円と言おうと思っていたけれど、一呼吸遅れた間に落札されてしまった。」と言っていたから、おそらく、まだまだいくらでも高値がついたろう。
今から考えると、この機会を逃せば、「絶対に」入手できない超レアな1品ものなのだから、何としてでも、参戦すべきだったかなぁ…。
僕は、まだまだ「ガチ勢」には遠く及ばないことを実感した夜だった。
ということで、今回のオークションでは、僕は何もゲットすることができなかったけれど、でも、最高に楽しかったし、僕は、その場に居合わせることができた至福を噛みしめた。
またもしも、このようなオークションが開かれる際には、全財産を捧げる覚悟で臨みたい(^^;
*1:先生とのトークイベント後に、新曲「blue moon」の記念イベントに出席。いやはや、流石売れっ子だ。