ぐったり疲れた1週間だった。
詳しいことは書かないけれど、新型コロナウイルスの影響が仕事にのしかかり、精神的にも肉体的にも、僕はちょっと参っていた。
おまけに、平日の憂さを晴らしてくれる筈だった週末イベントも、軒並み、コロナのせいで中止。
本来ならば、この週末は、筒井先生トークイベントに出席し、静岡マラソンへの遠征へと続く、最高の週末になる筈だったのになぁ…。
どうにもこうにもやりきれない気分だった。
そんな気分を癒やすには、やはり、餃ビーしかない。
ということで、金曜日の退勤後、僕は以前から気になっていた店を目指し、亀戸に赴いた。
亀戸で餃子と言えば…。
なんと言っても、亀戸餃子。
餃界では超メジャーな店で、僕ももちろん行ったことがある。
ただ、それはもう10年以上前の話で、このブログでもまだ紹介していない。
だから、亀戸駅に降り立った時、まずはこの店に行こうかと思ったが、やめた。
僕の心は、別の《気になる店》に、すっかり傾いていたからだ。
ということで、亀戸餃子のある北口とは反対側に出て、歩くこと数分。
ちょっとした小道に入るとすぐ、この電飾看板が目に入った。
まさしく、僕が目指していた店の看板だ。
その案内に従って、左に曲がるとすぐに、その店は現れた。
店の名は「長寿」。
いやぁ、いい名前だ。僕は最近、人生について、寿命について考える機会が増えているので、尚更そう感じる。
いかにも《町中華》といった感じの店で、昭和感満載の外観もいい。
入店。
店内は、カウンターのみ10席程度で、僕が入った時は、誰も客がいなかった。
「金曜の夜なのに大丈夫か…?」と思ったが、僕が入店した後、常連らしき方々が何人もやってきた。
常連の人と店主の話を聞いていたら、コロナウイルスの影響で、来店客が大きく落ち込んでいるという。
それは、この店に限らない。
SNSなどの情報では、普段行列になるような店でもすんなり入れたりしているようだから、今は、飲食店にとって本当に厳しい状況になっているようだ。
僕は少し暗い気分になった。そんな気分を癒やすには、やっぱり呑むしかない。
飲み物のラインナップはこんな感じだったが、僕は、いつもの通りビールを注文。
まずはこれで喉を潤しながら(いやはや旨かった!)アテを探そうと、メニューを眺めてみる。
定食類、単品、ドリンクのメニュー。
麺類のメニュー。
各種料理の中で、「ぎょうざ」だけは、メニュー両面において、別枠で、大きく記載されており、店の看板であることがわかる。大いに期待だ。
僕は、餃子を注文する前に、野菜系の軽いものが食べたかったのだけれど、これといったものが見つからなかったので、ニラ玉を注文することにした。
店の電飾看板にもあった通り、この店は《ニラ玉そば》が名物ということなので、ニラ玉は期待できると思ったからだ。
ということで、定食メニューの中から、《にら炒め玉子入り定食》を選び、それを単品で注文することにした。
他に客がいなかったこともあり、それはすぐに出てきた。
ん…?
そのビジュアルを見て、僕は戸惑ってしまった。
僕が日頃から食べている《にら玉》のイメージとは、ちょっと違っていたからだ。
ニラや玉子よりも、もやしの方が目立つ感じで、にら玉入りのもやし炒め、といったような感じ。
ただ、僕は野菜が食べたかったので、これでももちろん問題はないし、その濃厚な味つけはとても美味しかった。結果オーライだ。
これは、白いご飯にめちゃめちゃ合うよなぁ、単品じゃなく、定食だったら、さらに最高だったなぁとも思った。
しかし僕は、《餃ビーとライスは両立しない》いうのが持論なので、ここは、ぐっと我慢。
そしてもちろん、この日の主役である餃子を注文し、店内を眺めていると、テレビの下の本棚が目に留まった。
「美味しんぼ」や「ブラックジャック」などの懐かしい漫画群。
遙か昔、昭和の時代。僕がまだとても若かった頃に、夢中になって読んだ本たちだ。
《長寿》という店名どおりに、これらの本たちも、この店で長い人生(本生?)を過ごしているのだろう。
そんなことを考えていたら、僕は、ちょっと感慨深い気分になった。
そして。
焼餃子がやってきた!
いかにも手造りといった感じのフォルム。すばらしい焼き色。そして、皮から透けて見える、鮮やかなグリーン。
僕は、野菜系の餃子が大好きなので、これは間違いなく、僕好みの、最高に美味しい餃子だと確信した。
囓ってみる。
うぉぉぉー。やっぱり旨いぞ!
キャベツとニラのハーモニーが絶妙で、そのザクザク感がたまらない。
ニンニクもガッツリ効いており、食べ応えは十分。肉は入っていないが、これぞ、まさに究極の野菜餃子!といった感じで、僕は大いに気に入った。
もちろん、ビールとの相性も抜群だ。
僕は、至福の餃ビーに酔いしれながら、いやぁ、いい店に出会えてよかったなぁと思った。
今週は、僕にとって、つらい1週間だったけれど、だからこそ尚更、餃ビーの旨さに酔いしれることができたのだと思う。
人生、いいこともあれば、悪いこともある。是非とも長生きして、まだまだ餃ビーをし続けたいなぁ…。
そんなことを、しみじみ感じさせてくれた、素晴らしい店。「長寿」。
他にも色々気になる料理があるので、是非とも、また訪れたい。