毎月25日は、僕にとって特別な1日。
僕が、子どもの頃からこよなく愛してきた「SFマガジン」と、その盟友「ミステリマガジン」の発売日*1だったからだ。
だから僕は、いつも25日になると両誌を同時購入し、ワクワクしながらページを繰っていたことを思い出す。
しかし…。
10年前。そんな僕と両誌の蜜月に、突然破局が訪れる。
なんと、それまで月刊だった「SFマガジン」「ミステリマガジン」が、ともに隔月刊へと移行することになったのである。
SFマガジンが偶数月の25日発売。ミステリマガジンが奇数月の25日発売。
毎月25日が特別な日であるという状況は変わらないが、同時発売は終了。
この告知を境に、《両手に花》状態が、終わってしまうこととなったのだ.。
切なすぎる。
僕は大いに嘆いたが、至福の時はもう戻らない。
いつしかそんな状況にも慣れて、受け入れることができるようになっていたのだけれど、昨年、さらなる悪夢が僕を襲った。
なんと今度は、「ミステリマガジン」が、隔月刊→季刊となることが告知されたのである。
「SFマガジン」は隔月刊のままで残ったことが救いだけれど、毎月交互発売でバランスをとってきた両誌の関係が崩れてしまった。
「ミステリマガジン」は、昨年の11月発売号までは通常通り発行されたが、それ以降は季刊化。
本来であれば、2025年1月に発売される筈だった「ミステリマガジン」が、2月発売ということになった。
それに伴い、今年の1月は、僕にとって衝撃的な大事件が発生。
25日になったのに、SFマガジンもミステリマガジンも発売されない
ということがわかったからだ。
何を大袈裟な…と思われるかも知れないが、僕にとっては、紛うことなき大事件。
ここ数十年来、当たり前のように受け止めていた慣習の崩壊が生じたのである。
これを大事件と言わずして、何と言うのか。
僕は、心に大きな穴があいたような気分になったことを思い出す。
そんなショックが尾を引いていた僕に、昨日、大きなサプライズが訪れた。
もはや発売日競演はあり得ないと思っていた、この2誌が同時に届いたからだ。
ミステリマガジンが季刊になり、毎月交互発売の原則が崩れた以上、こういうことが起きるのは必然。
なのにどうして、僕はそれに気がつかなかったのだろう。
いや、そもそも自分で予約注文しているのだから、その時点でわかっていた筈。
予約したタイミングこそ異なるけれど、どちらも2月25日発売と理解していた筈。
しかし僕は、なぜか図らずもそのことを失念し、大いに驚いてしまった。
夢にまで見た、「SFマガジン」と「ミステリマガジン」の同時発売再開だ。
両誌の発売サイクルが変わらなければ、今後は毎年2回、2月と8月の25日に両誌の競演が楽しめることとなる。
それだけ考えると最高で夢のような話なのだけれど…。
もちろん、その夢はあだ花。単なるトラップ。
両誌の競演があり得る以上、両誌がともに発売されない月も(先月同様)あり得るからだ。
しかもそれは、年に4回(1月、3月、7月、9月)も発生することがわかり、僕はちょっと落ち込んでいる。
あぁ、また、来月の25日も寂しく迎えることになるのか…。
10年ぶりの両誌競演に喜びを感じるどころか、かえって切なくなってきた。あぁ。
*1:曜日の関係などで多少ずれることはあるものの、25日を基準にして発売されることは決まっていた。