藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)が、渡辺明王将(名人・棋王)に挑む、王将戦7番勝負。
現在発売中の「将棋世界」では、そんな藤井竜王が、王将戦への《挑戦切符》を手にした際の写真が掲載されている。
鉄道が大好きで、凜々しく謙虚な若干19歳の青年は、いざ、将棋の舞台に立つと勝負師の貌に変わる。
特に、終盤の強さは鬼神と言えるほどで、ひとたび勝ち筋を見つけると、容赦なく切り込んでいく。
一昨日、昨日にかけて行われた王将戦第3局では、中盤までは渡辺王将若干有利の展開で進んでいた。
持ち時間も渡辺王将より断然少なくなっており、流石に今回は厳しいか…とも思った。
持ち時間を使いきってしまうと、1分将棋*1になってしまうからだ。
しかし、渡辺王将の102手目(4七歩)が若干の疑問手だったようで、評価値が逆転。
反撃に転じてから、藤井竜王は、殆ど時間を使うことなく、渡辺王将が118手目に8三玉とした後は、ほぼノータイムで指し続け…。
そして、勝利を手にした。
これはあとでわかったことだが、なんと、この118手目において、29手詰めが成立していたというのだ。
藤井竜王は、この時にそれを見切っており、だからこそ、ノータイムで指し続けていたと言える。いやはや、恐るべき終盤力だ。
史上最年少の五冠奪取がかかる王将戦第4局は、2月11日12日に、東京の立川で開催される。
歴史が変わる瞬間になるか、渡辺王将が一矢を報いるか。
今から大いに胸が高まっている。
*1:予め規定された持ち時間(王将戦の場合は8時間)を使い切ると、1手1分以内に指さなければいけない。