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【叡王戦】藤井聡太「千日手2回」後の「AI超え」23手詰めで叡王位3連覇!【圧倒的な体力・知力】

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藤井聡太叡王(竜王、王位、棋王、王将、棋聖と合わせ六冠)の三連覇が決まった。

【第8期叡王戦第四局】<終局の瞬間> 藤井聡太叡王 対 菅井竜也八段│ABEMA将棋 - YouTube

叡王戦は、先に3勝した方がタイトルを獲得する五番勝負。

昨日はその第4局で、藤井叡王が3勝目を上げてタイトル防衛を果たすか、菅井八段がタイに戻すか、注目の1戦となった。

振り飛車党の菅井竜也八段は、飛車を7筋に振ってきた。三間飛車だ。

飛車の振り先としては、他に、「中飛車」「四間飛車」「向かい飛車」などいろいろある。

菅井八段は、「中飛車」も得意にしているのだが、今回のタイトル戦においては、全て「三間飛車」を採用している。

それだけ、今棋戦においては、「三間飛車」による《打倒藤井》作戦を練ってきたということだろう。

第1局では藤井叡王に破れたが、第2局では完勝、第3局でも終盤まで藤井叡王を苦しめた。(結果、逆転負けしてしまったけれど…。)

そして今回。

なんと4局連続「三間飛車」ということで、どういう戦いになるのか注目されたが…。

結果は44手で「千日手」となった。

千日手とは、同じ局面が4回出現することで、対局両者が、どうしても譲れない場合に発生する。

千日手となった場合、その勝負はノーカウントとなり、先手後手を入れ替えて初手から再度差し直すことになる。

今回、菅井八段の先手で千日手に突入した為、差し直し局では藤井叡王が先手に変わる。

将棋は、先手番の方が有利なゲームで、特に藤井叡王は先手番において無敵(昨年度33勝2敗、今年度も5勝0敗)の強さを誇っているため、これで決まってしまうか…と思われた。

しかし、ここで菅井八段が意地を見せる。

差し直し局においても、「三間飛車」を採用。

藤井叡王相手に110手を超える熱戦を繰り広げた後、再度「千日手」となった。

千日手の手順に持ち込んだのは、先手番の藤井叡王であり、それだけ藤井叡王を苦しめたということだろう。

そして。

またしても先手後手を入れ替え、3度目の対局となった。

タイトル戦の長い歴史において、1局で千日手2回は、たった4局しか前例がない。

そのうち1つは、昨年実施された、第93期棋聖戦第1局藤井聡太棋聖-永瀬拓矢王座戦。

この時は、《千日手王子》という異名を持ち、体力勝負となりやすい千日手を得意としている永瀬王座に、当時の藤井棋聖は翻弄され…そして敗れた。

しかし、転んでもタダでは起きないのが、藤井聡太の凄いところ。

そこから3連勝して棋聖位を防衛し、その後も快進撃を繰り広げ、ついには7冠に手が届くところまで来た。

そして今回。

2度の「千日手差し直し」となったことで、僕は、対永瀬戦の悪夢が一瞬頭をよぎったが、それは全くの杞憂だった。

この日3度目の戦いは、菅井八段がまたまた三間飛車作戦をとったことで、盤面左辺が初戦と似たようなものになった。

そこで藤井叡王は、初戦と同様の手順で、千日手を誘う手筋を見せた。

「3度目の千日手だって構わない」「体力勝負も望むところ」という手を打ったのだ。

これは、間違いなく、《千日手王子》との敗戦をバネにした進化だろう。

菅井八段は、それに気圧され、初戦と手を変えて千日手回避。

局後の感想で、菅井八段は千日手にしなかったことを後悔しており、この時点で、藤井叡王の勝負術が決まっていたのかも知れない。

藤井叡王の凄さは、終盤においても発揮された。

なんと、何億手もの手を読むと言う将棋AIよりも先に《23手詰め》を発見して着手した。

それには解説の阿久津八段も驚愕、AIの数値も混乱(圧倒的優位だった藤井叡王が、その手を指した直後、一瞬「不利」という数値になった。)させてしまったほど。

いやはや、本当に凄い。凄すぎると言うしかない。

今週半ばには、7冠がかかる名人戦第5局も控えており、まだまだ、ドラマチックな藤井劇場は続きそうだ。


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