職場と自宅を路線バスで往復するだけの、代わり映えのない日常を送る、何者でもない(Nobady)男。
火曜日のゴミ出しには、いつも出遅れて妻に呆れられ、息子や隣人にもナメられている、冴えないオッサン。
そんなオッサン一家を、ある日、強盗が襲うという事件が発生するのだけれど、その時も、何ひとつ抵抗できず、さらに家族から失望される。
しかし…。
《猫ちゃんのブレス》をきっかけにして、一気に展開は変わる。
「冴えない男が、実は最強だった」というパターンの映画は珍しくないが、変身のきっかけが《猫ちゃんのブレス》というのは、なかなか斬新だ。
Nobadyに徹していた男は、この事件以降、それまでの鬱憤を晴らすかのように変貌する。
そこにマフィアが絡んでくる展開になって、さぁ大変。
中盤以降は、息もつかせぬ、ハードボイルドアクション映画になった。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で《ドク》役を演じた、クリストファー・ロイドが、主人公の父役として出演。
のんびりと老人ホームで隠居している設定…と思いきや、こちらも後半は大変身する。
僕は、Nobadyオッサンの変身より、むしろこっちの方が驚いたw
クリストファー・ロイドは、今年で82歳になるというのに、いやはや元気で、なんとも素晴らしい。
後半のカーチェイスや銃撃戦は、迫力十分。
スリリングな展開でありながら、ところどころ、ユーモア要素も含んでおり、結末は、思わずニヤッとしてしまうほど。
コロナ疲れで、気楽にスカッとしたい人にオススメの映画だ。