先週末。僕は、久しぶりにまとめてロードショーを見た。
金曜は、定時退社後にダッシュして劇場へ向かい、「シン・仮面ライダー」の先行上映を鑑賞。
その余韻も覚めやらぬ土曜日。
今度はオスカー7冠受賞の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(エブエブ)を鑑賞。
どちらもこの春の超話題作で、僕は、大いに期待してその作品に臨んだ。
…しかし。
その期待はちょっと裏切られてしまった。
「シン・仮面ライダー」は、まぁ、それなりに楽しんだのだけれど、途中何度も違和感を感じた。
ただその違和感は、僕が子供の頃に愛した「仮面ライダー」シリーズの記憶が薄れて(ほぼ消えて)いたことによるものだと判明。
パンフレットなどを読んで、その記憶を補填した今は、むしろ、俄然もう1度見たくなっている。
一方「エブエブ」は…。
これはもう、僕には合わない映画だったとしか言えない。
マルチバースを行ったり来たりする後半は、個人的に苦痛でしかなく、さまざまなネタバレを知ったあとでも、なお、もう1回見たいという気は起きない。
なにしろオスカー7冠作品なので、その凄さは折り紙つきなのだが、感性が合わなければ、どんなに凄い映画だろうと、やっぱりつまらないのだなぁと実感している。
と。
前置きが長くなってしまった(いつものことだけどw)
先週末、僕が一番楽しんだ映画は、ドッと疲れて眠くなった「エブエブ」からのハシゴで鑑賞した…これ。
「シャザム!~神々の怒り~」だ。
この映画は、3年前に公開された「シャザム!」の続編。
前作は、とにかくメチャメチャな内容だったけれど、最高に面白い作品だった。
この映画のキャッチコピーは、「見た目はオトナ、中身はコドモ」というもの。
とあるきっかけから、《シャザム!》という呪文ひとつでスーパーヒーローに変身できることになった、無邪気な子供たちの物語だ。
ツッコミどころは満載なのだけれど、無心で見れば、実に楽しめるエンターテイメント作品だった。
そんなスーパーヒーローたちが、3年ぶりに還ってきたのだから、期待せずにはいられない。
ということで、僕はこの映画の公開を、大いに楽しみにしていたのだ。
鑑賞後…。
僕は清々しい気持ちで劇場を出たが、ちょっとだけ引っかかるところもある。
前作は、無邪気な子供たちの《成長譚》という側面があり、大人(というかスーパーヒーロー)の身体と、子供の心の間に生じる葛藤が、実に魅力的だった。
それに比べて今回の作品は、簡単に変身できることが、子供たちの《日常》となってしまっている分、ハチャメチャ感は薄れた気がする。
無敵の力を持った悪役側も、まとまりが全くなく、1人だけが暴走している感じで、ちょっと違和感。(ヘレン・ミレンはいい味を出しているけれど…。)
スリリングな物語にはなっているものの、どういう展開になるかわからなかった前作ほどのハラハラ、ドキドキ感がなく、こじんまりとまとまってしまった印象がある。
ただ…前作を楽しめた人にとっては、手堅い王道の続編になっていると思う。
僕は、「エブエブ」のマルチバースについていけず、激しい睡魔に追い込まれたが、この映画は、そんな眠気を吹っ飛ばしてくれる爽快さがあった。
大人から子供まで気軽に楽しめるエンタメ作品となっているが、注意点が2つ。
前作から、3年以上の間が空いているにも関わらず、前作の内容は殆ど説明されないため、この映画鑑賞前に前作を《復習》しておいた方が良い。
そうでないと、子供たちの境遇や環境設定がつかみにくいからだ。
もうひとつ。
エンドクレジットの後とエンドロールの後、2回のお楽しみ映像が含まれていること。
この映画では「エンドロールの後にお楽しみ映像がある」ことを予め予告してくれているけれど、それをエンドクレジットの後の映像と誤解して、席を立ってしまった人が何人かいた。実にもったいない。
エンドロールの後には、次作に繋がる(筈の)重要な示唆があるため、最後の最後まで席を立たないよう。