凄い祭りが始まった。
その名も、春のハヤカワ電子書籍祭だ。
早川書房の国内外1,000作品「電子書籍版」が、(紙の本に対して)最大50%割引になるというではないか。
Kindleストア限定の企画ではあるが、それで必要十分と言う人も多いだろう。
こういったフェアの場合、紙ではあまり売れなくなったような商品が選ばれることが
多いのだけれど、このフェアは、違う。
特に、SFジャンル作品に関しては、直近の話題作が、惜しげもなく半額で提供されている。
目玉中の目玉は、何と言っても、これ。
昨年の夏に発売され、同社の「SFが読みたい!2019年版」でも、海外編のダントツ1位を獲得した「三体」。
今でも売れ続けているこの本が、惜しげもなく半額で販売されているのだから、驚愕というしかない。
僕はこれを《紙の》単行本で買って読んでいるが、分厚いハードカバーの本なので、再読、三読には向かない。
ハードカバーの単行本というスタイルは、いつでもどこでも持ち歩くわけにはいかず、どうにもこうにもヘビーだからだ。
しかし電子書籍版ならば、大丈夫。Kindleのみならず、スマホやタブレットがあれば、いつでも気軽に読み流せる。
だから僕は、電子版も買っておこうかと思っている。
昨年9月に発売され、直木賞候補にもなった、小川哲の短篇集も半額。
僕は、収録6作品のうち、いくつかをSFマガジン誌で読んでおり、素晴らしい作品集だろうということはわかっていた。
ただ、単行本の1,760円という価格には、どうにも二の足を踏んで、購入はしなかった。
しかし、880円という電子書籍版価格ならば、「買っておいてもいいかなぁ」と思ってしまう。
だから、今回の50%オフという値付けは、実に絶妙というしかない。
それだけじゃない。この本を買おうかどうか迷っていたところ、販売ページにこんな表示が出てきた。
日本SF大賞、山本周五郎賞を獲得した、この「ゲームの王国」に関する特別オファーだ。
紙の本の価格より50%オフである上に、2冊まとめて買えば、通常1%のポイントが5%になると言う。
しかも、1秒ごとにカウントダウンされていて、残りは8分あまり。
僕は(恥ずかしながら)この本は未読だったので、思わずボタンを押してしまった。
いやはや、商売ウマいなぁ…と唸らずにいられない。
しかも、このフェアが凄いのは、(早川書房が公式告知している)最大50%オフにとどまっていないこと。
「三体」や「嘘と正典」など、直近の話題作については、確かに半額止まりとなっているが、過去のベストセラー、ロングセラーについては、それ以上の割引がなされているのだ。
例えば、この本。
フィリップ・K・ディック不朽の名作にして、映画「ブレードランナー」の原作。
そして、餃子ランナーが電子機器の夢を見ながら読む(?)この本などは、341円という値付け。
紙の本に対して、58%の値下げになっているのである。
色々とラインナップを眺めてみると、旧作に関しては、50%どころじゃなく、60%、70%オフと言った作品もあるようで、いやはや、どれもこれもゲットしたくなってしまう。
特集の一覧ページでは、作者で絞り込んだり、検索をしたりすることもできるので、便利だ。
春のハヤカワ電子書籍祭
フェア開催は、今年の4/13まで。
コロナウイルスの影響により、外出できず、本を読む機会が増える人も多いだろう。
そういった方々、特にSFファンにとって、このフェアは絶対に見逃せないと思う。
超オススメ。