時は先週末に遡る。
激痛鍼の内田治療院で施術を受けた後、僕は、そこから徒歩1分の大陸系中華「祥龍園」で餃ビーをすることにした。
餃子が出てくるまでのアテとして注文した「高菜と青豆和え」が、想定外にレベルが高く、僕はあっという間に生ビールを飲み干してしまった。
あまり期待せずに訪問したのだけれど、これは「当たりかもしれない」と胸が高鳴り、主役である餃子の登場を待った。
厨房沿いのカウンターに、それが用意されてきたタイミングで、僕は生ビールを追加注文し、競演写真の撮影に備えた。
そして。
待望の餃ビーが実現!
…したものの、個人的には、ちょっと釈然としない思いを抱いた。
期待していた焼餃子のビジュアルが、メニュー写真とあまりに違っていたからだ。
メニューに載っていた写真は、これ。
こんがりふっくらして、とても美味しそうだ。
店頭で販売されていた餃子は、あまりじっくりと確認しなかったが、このメニュー写真を見る限り、ボリュームたっぷりの本格焼餃子が食べられると思って、僕は注文したのである。
それなのに、僕の目の前に出てきた焼餃子は…。
これw
いったい何なんだ、この貧相なビジュアルは。メニュー写真と違いすぎるだろ。責任者を呼べ、責任者を!
いかにも「機械包みです。冷凍です。」といったような趣も気に入らない。
大陸系の中華店だから、若干アバウトなのは仕方ない(それが魅力でもある)けれど、それにしても、ちょっとこれは酷すぎないか。
なぜか個数がメニューより1個増えているのも疑問だったが、それについては、壁に貼られていた案内で説明されていた。
餃子盛り方変更のお知らせ…?
「制作方法のへんか」とか、「前より小さくになりました」など、所々おかしな日本語で、この異常な状況が案内されていた。
細かい事情はわからないが、僕は、《手作りではなくなり、工場生産された冷凍物を焼くだけになった》ため、全く違う餃子になったのだと推測。
それならそれでも構わないが、だったら、メニューの写真を修正すべきだろう。
これは、盛り方変更とかそういうレベルの話じゃないと思うからだ。
そんな釈然としない思いを抱きながら、僕は焼餃子を囓ってみる。
ハードルを下げた効果かもしれないが、それは、思ったほど悪くなかった。
肉汁は出ないが、それなりにジューシーで、何もつけなくてもまぁまぁ食べられる。
店頭でこれが売られていたら、定価購入はしないが、半額シールがついているなら買うかも。というようなレベル。
「高菜と青豆和え」が想定外に美味しかったので、僕は、ちょっと残念な気持ちを抱いてしまった。
そんな僕の釈然としない思いを払拭してくれたのは…。
ノーマル焼餃子と一緒に登場した「棒餃子」だった。
焼餃子の2倍はあろうかというボリューム。
個数は3個だけなので、値段的には(焼餃子と同額の380円)相応なのだろうなと思いながら囓ってみると…。
旨いじゃないか!
肉の旨みが、焼餃子とは段違い。
その具には、春雨やクワイなども入っているようで、食感も最高。これは、かなり本格的な棒餃子だ。
僕は、焼餃子に不満を抱いたことも忘れ、その美味しさに唸ってしまった。
この棒餃子は、なぜか前述のメニューには掲載されておらず、裏メニュー(?)的な存在。
基本的には店頭販売専用なのかもしれないが、実にもったいない。
むしろ、こちらをメインにメニューを作り直した方がいいんじゃないかと思うほど。
僕は思った。
この店はきっと、「当たり外れ」のある店なのだ。
店頭に並んでいた格安惣菜たちも、きっと玉石混淆なのだろうから、今度は惣菜をいくつか買ってみて、素敵な「玉」を見つけ出してみたい。