4年前。
僕は、フルマラソン距離を1回で走る《バーチャルニューヨークシティマラソン》を敢行し、何とか完走した。
たった1人でお台場から立川まで走った為、かなり疲れたのだけれど、そんな疲れを癒やしてくれたのは、「餃子のニューヨーク」だった。
ニューヨークシティマラソンのバーチャルレースなのだから、フィニッシュ地点はここしかないと決めていたのだ。
それだけに、完走後この店へ辿り着いたときの感動はひとしおだった。
僕は、店の入口に立っていた「ミニ」自由の女神像に迎えられ、ニューヨーク気分に浸ったことを思い出す。
立川にそんなニューヨークがあるなら、北千住にラスベガスがあったっておかしくないw
そう。
北千住には、「餃子のラスベガス」が存在するのである。
…と言っても、この2店は姉妹店というわけではない。
「餃子のラスベガス」は、九州の福岡市が本拠地。
そこでの大人気を踏まえて、2年前、満を持して東京に進出してきたのだ。
入口はSFチックで、なんかオシャレなムード。
僕は、若者向きの店なのかなぁ…という第一印象を抱いた。
店の外にカウンター席が設けられているのは、ちょっと面白い。
気軽に楽しめそうな雰囲気だ。
入店すると…ちょっと変わった風景が広がっていた。
右側は、厨房とカウンター席という一般的な造りだが、左側が変わっている。
寝台車のような…というか、カプセルホテルのような…というか、2階建てキャビンのような造りになっているのだ。
上段は椅子席になっており…。
半地下的な下段は、桟敷的になっている。面白いじゃないか。
僕の予約席は、下段で確保されていたため、早速潜り込んでみた。
席から厨房を見たところ。少し見上げた感じになる。
メニューはこんな感じ。
それほど種類は多くないのだけれど、餃子以外にもこだわりを感じる料理が並ぶ。
まずは瓶ビールを注文して、それとともに、スピードメニューやおつまみを幾つか注文した。
瓶ビールはサッポロの赤星限定。これも、こだわりがあっていい感じ。
まずは瓶ビールが到着。
栓抜きがついてきて、自分で栓を開けるスタイルになっていた。
これにはちょっとした理由がある。
この店は、サワー類などが、全て自家製瓶詰めされており、それを自分で開けて飲むスタイルになっていたのだ。
こういうところも凝っていて、なんか素敵だ。
おつまみ3品が到着。
・有明海苔とキクラゲの胡麻油和え
・さきイカとにんじんのナムル
・半熟海苔玉
どれもちょっとした小品だったけれど、ひとつひとつにこだわりがある感じで、とても美味しかった。
そして。
焼餃子がやってきた!
手作り感満載の、ぷっくりとした大きいフォルムが魅惑的だ。
ビールとの競演も、もちろん絵になる。
具は、粗切りの肉と野菜がいいバランスで共存。
皮はカリカリ、もちもちで、食べ応えもある。
下味もちゃんとついているので、何もつけなくても十分に美味しい。
水餃子も到着!
焼餃子とは、全く筐体のフォルムが違っていて、こだわりを感じる。
これは、もちもち感がたまらなかった。
餃子には、つけだれとして「ネギ山椒ダレ」「塩レモンダレ」「ニラ醤油ダレ」「パクチーダレ」がトッピングできる(各100円)
餃子は、そのままでも十分美味しかったので、特にいらなかったのだけれど、ネタ的にパクチーダレを注文してみた。
それほどパクチーのクセはなく、パクチー嫌いの人でもいけそうな感じ。
逆に、パクチー好きの人だと物足りなさを感じてしまうかもしれない。
この店の餃子は、特別なつけダレなしで十分美味しいと思う。
僕らは、瓶ビールを飲んだ後、《瓶詰めサワー》に切り替えることにした。
サワーを注文したところ、氷と原液だけを入れたグラスと、店名入り炭酸水の瓶(栓つき)が出てきてきた。
この作り方がちょっと変わっており、最初の1回目だけは、店員さんがデモンストレーションしてくれるシステム(?)を採用。
店員さんは、瓶を開栓した後、逆さまにしてグラスの中に入れ、マドラー代わりにかき回した。
それで美味しくなるのかどうかはよくわからないけれど、パフォーマンスとしては面白かった。
この店では、最後に水(お冷や)も頼んだのだが、それさえも栓つきの瓶で出てきて、ちょっと笑ってしまった。
店員さんは、皆、明るくて愛想がいいし、本当に楽しい店だ。
逸品メニューからも一品注文。(洒落じゃなく…)
モッツァレラチーズと豆腐のサラダ。
豆腐とモッツァレラチーズは、囓ってみるまで見分けがつきにくく、「どっちかな」感が楽しい料理だった。
締めは、季節の餃子2品を。
豚トロとアスパラの焼餃子。
そんなの旨いに決まっているじゃないか!
これもまた、普通の焼餃子とはフォルムが異なっていた。凝ってるなぁ。
その名の通り、豚トロがしっかり入って味わい深かったし、それにアスパラのザクザク感が見事に調和する。ちょっと高級料理的なイメージだ。
ラストは、海老とタケノコの水餃子。
これもまた、普通の水餃子とは全く異なるフォルム。
海老はプリプリだし、タケノコのざくざくした食感が、これまた最高。
この水餃子は、皮がちょっと違うのか、小麦粉の風味を強く感じたのも印象的だった。
僕らは、たっぷり2時間、この店の餃子とパフォーマンスを堪能した。
本当はもっとゆっくりしたかったのだけれど、キャビン的な半個室は結構人気で、「混雑時は2時間制限になります。」と言われていたので、仕方ない。
餃子のラスベガスという、楽しい店名にふさわしい店。
ここは、餃界のアミューズメントパークだ。
季節餃子は定期的に変わるようだし、今度は上段の椅子席から店内を眺めてみたいので、是非とも再訪したい。