Qwertyキーボード搭載のスマートフォンと言えば、なんと言ってもBlackBerry。
スマートフォン黎明期の時代から、物理Qwertyキーボードにこだわり続け、一時期は世界的に大きなシェアも誇った。
しかし…。
時代の流れとともに、BlackBerryを取り巻く状況は苦しくなっていく。
iPhoneやAndroid OSの登場により、スマートフォン業界は、フルタッチ系端末に席巻されるようになったからだ。
2012年第4四半期になると、BlackBerry社のシェアは世界市場で3.4%、米国市場では2%にまで落ち込み、じり貧状態。
日本市場からも、2013年に撤退してしまった。
2016年には自社OSの生産もストップし、BlackBerryのライセンスも明け渡すような状況に。
僕は、これでBlackBerryは死んだかと思った。
ところが、BlackBerry社からライセンス提供を受けたTCL社が(意外に?)頑張って、Android OSを搭載したBlackBerryブランドのスマートフォンを開発、販売。
2018年に発売されたBlackBerry KEY2は、なかなか良く出来たスマートフォンで、新生BlackBerryにおける、ひとつの完成形とも思えた。
だから僕は、BlackBerry KEY3の発売を夢見ていたのだけれど…。
2020年に衝撃のニュースが飛び込んでくる。
なんと、TCLとのライセンス契約が終了し、それが更新されないこととなったからだ。
新興のOnwardMobility社が、新たにBB社とライセンス契約を結び、「2021年中に、5G対応BlackBerryを発売する」とぶち上げたものの…それは単なる絵に描いた餅だった。
今年2月、BlackBerry社は、同社が保有しているモバイルデバイスなどに関係するすべての特許資産を、総額6億ドル(約686億円)で売却すると発表。
その影響もあってか(いや、もともと開発などしていなかったのかもしれないが)OnwardMobility社によるBlackBerryの発売は消えてしまった。
もう、完全に、今度こそBlackBerryは死んでしまったのだ。
だから僕は、大いに落ち込んでいたのだけれど、そんな僕を励ましてくれる告知が行われた。
Unihertz社が、突然YouTubeで発表した、このティザー広告だ。
画像が暗いので、非常にわかりづらいのだけれど、スリムなスタイルのQwertyキーボードスマートフォンの発売が予告されている。
スリムな筐体は、BlackBerry KEY2を彷彿させ、すわ、BlackBerry KEY3か?!とも思えるようなイメージだ。
そんな最新端末の名称は、「Titan Slim」と呼ばれるものになるようだから、やおら期待が高まる。
Unihertz社の公式Twitterでも、早速告知が行われている。
何かがすぐに来ています...
— UnihertzJapan (@UnihertzJapan) 2022年4月8日
しばらくお待ちください。😜
📺https://t.co/cjnexG8bHh#unihertz #スマートフォン #新しいスマホ #newarrivals pic.twitter.com/2xwIHxwwku
もちろんこれは、Titanシリーズの一環だから、BlackBerryではない。
しかし、BlackBerry KEY2を《意識して》開発したことは間違いないと思われ、ならば、幻に終わったKEY3の夢を見させてくれる端末であって欲しい。
質実剛健だけど、あまりにデカい初代Titan。筐体はコンパクトになったものの、ごつくて重いTitan Pocket。
これまでのTitanシリーズの流れを考えると、今回も、「スリムだけれどゴツい?」端末になる不安はある。
しかし、《BlackBerry KEY2の後継》を目指して開発されたのならば、今度こそ、本当にスリムでスマートなスマホが登場してくれると信じたい。
これまでの2機種のように、強靱な筐体にこだわりすぎると、また重くなってしまう。
普通の強さでいいから、スリムでスマートな、そして使いやすいQwertyキーボード搭載端末であることを願うばかり。
正式発表が本当に楽しみだ。