きっかけは、Twitterにおけるユーザーからのつぶやきだった。
そのユーザーは、味の素の冷凍ギョーザを焼いたら、フライパンに皮がくっついてしまった画像を添付し、「油いらないって書いてたじゃん、嘘つき!」と、クレーム調で書いていた。*1
味の素の冷凍ギョーザは、油不要で焼くことができるのが《売り》なのだけれど、劣化したフライパンなど使った場合は、油が必要な場合がある。
だから、これも当然そういった例なのだろうなぁと思っていたのだけれど、このツイートに、なんと、味の素冷凍食品の公式Twitterアカウントが反応した。
突然のご連絡を申し訳ありません。
— 味の素冷凍食品【公式】 (@ff_ajinomoto) 2023年5月12日
フライパンで弊社のギョーザを焼いたところ、張り付いてしまったとのツイートを拝見いたしました。
弊社は、誰でも失敗なく、羽根つきギョーザが焼き上がる感動をお届けすることを目指しております。 https://t.co/5IrCCRe4p6
大変勝手なお願いでご面倒おかけいたしますが、このたび調理にご使用いただきましたフライパンを、着払いにてご提供いただけないでしょうか?
— 味の素冷凍食品【公式】 (@ff_ajinomoto) 2023年5月12日
焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております。
流石、冷凍「ギョーザ」売上日本一の会社は、考え方が違う。
僕は、大いに驚いたことを思い出す。
クレームを放置せず、建設的な提案で解決しようとする姿勢が素晴らしい。
このツイートの後、元ツイートのユーザーと、何度か友好的なやりとりがあり*2、そのフライパンは回収されたようだ。
ここまでの対応においても、僕は、十分この会社の凄さに恐れ入っていたのだけれど、衝撃は、これで終わりではなかった。
先週、同社のTwitterアカウントでは、その検証結果報告とともに、あらたなお願いが発信されたからだ。
それは、使い込んだフライパンにおいても、ギョーザを綺麗に焼くことができるよう、さらに検証していくためのお願いだった。
その内容とは…。
『冷凍餃子がフライパンに張り付いてしまう』という投稿を受け、改めて調理検証を行いましたので、その結果をご報告いたします。
また、最適な調理方法を継続して研究するため、同様の事象が起きてしまうフライパンをお持ちの方はご提供いただきたく、お願い申し上げます。
冷凍餃子が貼り付いてしまうフライパン提供のお願い!
なんと、同社の冷凍餃子が貼りついてしまうフライパンを「着払い」で積極的に回収し、その代償として、「冷凍餃子詰め合わせ」を発送するとのこと。
1件あたりの送料を考えただけでも、軽く千円はかかる筈。(冷凍餃子はクール便での発送になるから、尚更)
いやぁ、どれだけコストをかけて研究するのだろう。
凄い、凄すぎる。
やはり、冷凍「ギョーザ」売上日本一は、ダテじゃない。
味の素の餃子は、こういった検証努力があってこそ、日本一の座についているのだ。
敬服。