このイベントは、別格だ。
一昨年の11月。
去年の10月。
そして、昨晩。
こうやって書き始めてみると、また、あの夢心地が甦ってくる。僕は、この素晴らしいイベントに参加できたんだ!筒井先生の顔を間近で見て、トークを聴いたんだ!
興奮が、怒濤のように押し寄せてくる。
昨日は、興奮で、帰宅してもなかなか寝つけなかった。それぐらいの感動。
場内には、貴重な、筒井先生の若い頃のスナップや…。
これまでのイベントポスターが展示されていた。
場内の席は自由席になっていたけれど、開場の2時間近く前から並んだこともあり、今回も最前列で鑑賞させていただくことができた。
この写真、右側の席に、筒井先生。左側に、進行役の日下三蔵氏。
イベント中の写真は撮れなかった*1が、僕は、この写真を見ているだけで、筒井先生の声や姿が脳裏に甦ってくる。
今回、先生が語ってくださったテーマは、筒井先生をリアルタイムに追いかけ、興奮しまくっていた「虚人たち」「虚航船団」の時代。
幼少だった僕の、その後の人生を形作ってくれた時代。あの時、この本に出会えていなかったら、間違いなく、僕の人生は、寂しいものになっていただろうと思えるぐらい、僕にとっては、思い入れが深い2冊だ。
だから。
このイベントで、先生から初めてお伺いしたエピソードの数々は、本当にたまらなかった。
先生から、主にお話をいただいた本たち。
どれもこれも、もちろん素晴らしい。「虚航船団」は、もちろん単行本版も持っているが、実家に残してきてしまった。痛恨。
「虚人たち」。
筒井先生の、数え切れない名作群の中での、個人的ベスト1だ。
「今のところまだ何でもない彼は何もしていない」という冒頭の一文から、僕は痺れまくって、それから数ページを暗唱できたほど。
中盤に訪れる驚異的な【仕掛け】を目にした時の衝撃は、今でも忘れない。
昨晩は、この本に関しての貴重なエピソードも伺うことができ、僕は、またこの本の興奮、感動が甦ってきた。
あぁぁ、本当にこの本は素晴らしいなぁ。筒井先生メタフィクションの集大成であり、最高峰。
もう、何十度と読んだ本だけれど、今日からまた再読を始めている。
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虚人たち (中公文庫)
*1:時折、バシャバシャとカメラのシャッター音が鳴っていたが、マナー違反であり、先生に失礼だと思う。