実に腹立たしい記事だった。
BlackBerry新端末「KEYone」に関する、ギズモードジャパンの記事だ。
現在、BlackBerryという端末が、非常に厳しい状況にあるということは、僕も理解しているつもりなので、風当たりが強くなるのは仕方がない。
だから、実機をしっかり検証した上での批判であれば、納得して読んだと思う。
しかし…検証は何もなく、ただ「批判ありき」を前提にした、実に内容の薄い記事だったので、どうにも腹立ちが収まらない。
カタログ上の表面的なスペックに対してひとくさりケチをつけたあと、「厳しい評価が寄せられています」「やや失望したインプレッションが掲載されています」「辛口評価が寄せられていますよ~。」などなど、伝聞形式での批判が満載。
何が、寄せられています「よ~。」だ。ふざけるな。
ギズモードジャパンのこういった軽佻浮薄な文体は、今に始まったことじゃないし、それが売りである(と、執筆者は思っているのだろう)から、文句を言うのはお門違いなのかもしれない。
単なる情報源として割りきり、文体や見解には目をつぶって読むというのが正しい使い方なのだろうと思う。
しかし、今回どうしても我慢できないのは、実機の使い心地に関する情報ソースが貧弱なこと。
前述批判のもととなる根拠は、たったひとつ。「たとえば」として述べられている、Ars Technica記者レビュー、だけなのだ。
このレビューからつらつらと引用するだけで、批判的な商業記事を1本書けるのだから、ライターなんて楽な商売なんだなぁと思う。
このヨタ記事内には、悪意もある。
本文の真ん中あたりに挟み込まれているリンクだ。
「CES 2017でもっとも悲しげだったブース」として、【もっと読む】リンクが張られている。
BlackBerry KEYoneは、CES 2017でチラ見せされているため、記事の内容と併せて考えると、「もっとも悲しげだったブース」=「BlackBerryブース」だったかのように思える。
しかし、このリンク先で紹介されている記事は、BlackBerryとは何の関係もないブースの話なのだ。
CES 2017関連記事ということでの紹介なのかもしれないが、今回の記事の流れで、このリンクを挟み込む意図が不明。
個人的には「悪意」としか感じられず、実に不快だった。
全般にわたって引用されているArs Technica記者の見解にも、ちょっと納得できない点がある。
タッチスクリーン上のソフトウェアキーボードに慣れたいまとなっては、この小さくて打ちにくいハードウェアキーボードがあるというだけで、わざわざ高いBlackBerry KeyOneを買いたいと思えるかどうかは疑問
この部分だ。
ソフトウェアキーボードに慣れた人が多くなったことは否定しない。現状、スマートフォンといえば、フルタッチ系ばかりになってしまったからだ。
しかし…。
「小さくて打ちにくいハードウェアキーボードがあるというだけで」という意見には納得できない。
この記者は、BlackBerryを使ったことがないんじゃないか?とも疑ってしまう。
BlackBerryのキーボードは、確かにとても小さい。しかし、決して打ちにくくはない!からだ。
BlackBerryのユーザーなら、誰でもわかっていることだけれど、BBのキーボードは、単にサイズだけが大きい凡百のハードウェアキーボードよりも、圧倒的に打ちやすい。
性の合わない人はいるかもしれないが、そういった人は、もともとハードウェアキーボードが合わないタイプの人種で、いずれにしても、自然にフルタッチ系へ流れていくのだ。
BlackBerryのハードウェアキーボードは唯一無二。
今回、そんなキーボードが進化し、さらに、待望となるストレートタイプのAndroidスマートフォンとして登場してくる以上、やっぱりこれは見逃せない。
僕は、今回の、悪意ある批判記事を読んで、心に決めた。
ギズモードジャパン的には、「終わりの始まり」なのかもしれない。しかし、何の実地的検証もない、伝聞批判だらけの記事に負けてなるものか。
ならば買って、使い倒して、その低評価に反証してみようじゃないか、と。
果たして、反証できるだけの素晴らしい端末になっているのかどうか…は、ちょっと不安なところもあるのだけれど(汗)