物理Qwertyキーは、BlackBerryの代名詞だ。
近年は、フルタッチのBlackBerryも発売されてきているが、僕は、その方針転換が大きな間違いだったと確信している。
以前のエントリーで書いたが、「BlackBerry」と言えば、黒苺を彷彿させる物理Qwertyキーが、その顔であり、看板。
自らの看板、代名詞を捨てて、フルタッチ端末に走る意味がいったいどこにあったのか。
そもそも、飽和気味のフルタッチ市場で、物理Qwertyキーだからこそ意味があった、BlackBerry OSの端末が、戦える筈がない。
この迷走がなく、BB独自の物理Qwertyキーを極めていれば…もっと早くAndroid OSと連携できていれば…こんなに市場が縮小することはなかったのではないか…という思いが拭えない。
と。今更そんなことを嘆いても愚痴になるだけ。
今はただ、原点回帰してくれた、ストレート物理Qwertyキー搭載のBlackBerry KEYone登場を喜びたい。
とはいえ。
キーボードの入力性能比較で言うなら、KEYoneは、これまでのBBに大きく及ばない。
BlackBerry Classicと比較しても、Classicの方が(日本語変換・入力のダメダメさに目をつぶれば*1)圧倒的に上。
KEYoneは、トラックパッドがなくなり、キーサイズも、Classicより小さく、狭くなってしまったからだ。
しかし…。
KEYoneのキーボードには、それを補ってあまりある魅力が隠れていた。
BlackBerry KEYoneにおいて、Qwertyキーは、単なるキー入力のためのボタンではない。
各キーに、アプリなどのショートカットキーを割り当てられるBB伝統の便利機能。
加えて、キーボードをタッチすることにより、液晶画面のスクロールができたり、ホームスクリーンの操作やカーソルの移動も行うことができる。
「Touch-Enabledキーボード」と呼ばれるこの機能は、BlackBerry Passport以降加わったもので、Classicには搭載されていなかった*2ので、僕には、新鮮でとても嬉しかった。
現状、キーボード上の「滑り」があまり良くなくて、動きにくい場合もあるのだけれど、これはきっと、慣れで快適になっていくと信じたい。
そして。
なんと言っても素晴らしいのが、BlackBerry史上、初めて搭載された指紋認証。
発売前、スペースキーにそれが搭載されるという情報を聞いた時は、「ちょっと使いにくいのでは…?」と思ったのだけれど、大きな誤解だった。
いやはや、これは便利。便利すぎてたまらない。感知性能が最高に素晴らしく、ほんの一瞬触れただけで、あっという間に復帰する。
あまりの快適さに、「認証してないんじゃないか?」と思うほどだ。
さらに、スペースキーをクリックすると、1画面ぶん下にスクロールする(shiftキー+スペースキークリックだと上にスクロール)という機能があるため、その便利さが際立つ。
例えば、長文のWebサイトをつらつらと眺めていて、いったん中断したとき。
自動ロック&画面オフの設定であったとしても、ほんの一瞬スペースキーをタッチするだけですぐに復帰。
さらに、それをクリックすれば、いちいち画面に触れることなく、簡単にWebサイトで続きを読むことができるのだ。
この「いちいち画面に触れることなく」というのが、本当に快適。
スペースキーでは1画面分のスクロール。前述のTouch-Enabledキーボード機能では細かいスクロールができるので、画面をタッチすることなく、自由自在に閲覧可能。
文字入力時においても、物理Qwertyキー搭載故に、ソフトウェアキーボードを表示させなくて済み、画面をたっぷり広く使える。
フルタッチの大型液晶端末は、確かに広くて便利だけれど、必ず画面にタッチしなければならないというのが、面倒に感じる時もある。
僕は、iPhoneでのコピー&ペースト操作にイライラするし、Web閲覧時は、広告などを誤タッチさせられることもままあり、いつまで経っても慣れない。
その点、BlackBerry KEYoneならば、液晶画面に全くタッチしなくても、Webを閲覧することができる。
例えば、ブラウザを立ち上げる操作だって、ボタン一発で可能なので、画面に触れる必要なんて、まるでないのだ。
とにもかくにも、ショートカット&タッチ操作ができる「技ありQwertyキー」と、指紋認証&画面スクロールができる「魔法のスペースキー」のコンビが絶妙で、最高。
いやはや便利でたまらない。
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