…そして。
看板娘の長女:華餃子
餃子来たーーーーっ!
豚八戒餃子の中で、一番有名な「華餃子」。
5種5様の餃子は、どれも絶品なのだけれど、メディアに紹介される場合は、この餃子が取り上げられることが多い。
例えるならば看板娘。羽根付焼餃子の登場だ。
僕は、餃子の羽根にそれほどこだわりは持っておらず、別になくてもいいんじゃない?派なのだけれど、この餃子は違う。
「羽根」は、餃子の一部、まさに「華」になっているから、絶対に欠かせない。
見た目も味もダブルで堪能できる餃子だ。
言うまでもなく、ビールとの相性も抜群。
この日は、絶品餃子を心ゆくまで堪能するつもりだったので、お酒は控えようかとも思っていたのだけれど、これが飲まずにいられるものかw
味は、半年前のままだった。
肉と野菜、そしてきくらげが絶妙に調和しており、八角の利いた風味がやっぱり最高。羽根も、もちろん美味しかった。
やんちゃな長男:四川風麻辣水餃子
続いてやって来たのは…。
派手なビジュアルの四川風麻辣水餃子だった。
華餃子が、豚八戒の看板娘、長女だとするなら、こちらは、やんちゃな長男と言ったところ。
「僕だって負けてないぞ!」と言わんばかりの存在感だ。
実際、メディアなどでも、華餃子と並んでこれが取り上げられることが多い。
それだけに、やっぱり人気で、この日も、皆こぞって注文していた。
注文を受けるたび、マスターが、「パクチー大丈夫ですか?」と尋ねていたのが印象的。その理由を、マスターに聞いたところ、この餃子を食べたいが、パクチーは苦手、という人が結構いるとのことだった。
実際に、この日も「パクチー抜き」で注文していた人もいた。
個人的には…トッピングであるパクチー、食べる辣油を含めての、刺激的な三位一体がこの餃子の魅力だと思っているので、ちょっともったいなぁと思ったり^^;
そう、この一体感。いやぁ、ほんと美味しかったなぁ。
素朴な疑問がひとつ。
5種類ある餃子のうち、この餃子だけ、《華餃子》のような、「別名」「愛称」がないのだ。
ストレートに、四川風麻辣水餃子、と称されるのはなぜなのだろう。
今度訪れた時には、是非、マスターにその理由を聞いてみたい。
優しいおかみさん:八戒餃子
3番目の餃子は…。
「八戒餃子」と名づけられた、精進蒸餃子。
これまた全く違うビジュアル。
餃子店の食レポを行う場合、あとで写真を見返すと、外見で区別がつかなくなり、「どれがどれやら…」になってしまうことが多いのだけれど、こと、豚八戒の餃子に限っては大丈夫。
それぞれがとても個性的で、完全に区別できるからだ。
具は、海鮮と野菜。身体に優しい味の、まさに精進餃子。
例えるならば、一家の健康を気遣う母、優しいおかみさんのような餃子だ。
可憐な次女:天蓬餃子
4番目の餃子は、静かにやってきた。
とっても美しい名前、「天蓬餃子」という名を持つ、水餃子だ。
その具は、なんと豆腐がメイン。
具の食感に合わせるように、皮も実に柔らかくて、するっと食べられる。しかし、とっても味わい深い餃子だ。
看板娘の長女の後ろで、ひっそりと美しく咲く花。可憐な次女といった趣がある。
と。
ここでマスターからサプライズがあった。
次女の親友:パクチーのオプションサービス!
なんと、サービスで、パクチーを出してくれたのだ!
四川風麻辣水餃子を食べている際、パクチー嫌いな人の話になり、「それは勿体ないですねぇ。このパクチーが美味しいのに!」と、僕が言っていたからだろう。
しかしこれは、僕だけのサービスというわけではなく、希望者には誰でも提供しているとのことだった。
実際、僕の隣にいた人も、マスターにパクチーを注文していた。
ということで、これを天蓬餃子と合わせて食べてみると…。
いやぁ、これが素晴らしかった。
優しくて儚い味の皮と具に、インパクト抜群のパクチーが絶妙のアクセントとして調和する。
寡黙で大人しい次女と好対照な、でも、仲が良い親友、といったところだろうか。
どっしり構える大黒柱:明蝦餃子
絶品餃子のトリを飾ったのは、「明蝦餃子」。海老の水餃子だった。
水餃子…という点では、天蓬餃子と同じなのだけれど、皮の味わいも、具も、全く異なるものになっている。
皮はもっちもち、そして具の海老もどっしり詰まっていて、ぷりぷりで、実に食べ応えがある。
まさに、一家を支える大黒柱のお父さん、と言った感の趣がある餃子だ。
この餃子にも、もちろん、パクチーが合う。
皮から透けて見える海老の赤と、パクチーの緑。色のコントラストも美しい。
大黒柱のお父さんと娘の親友が一緒になるのはどうなんだ?という気がしないでもないけれど、まぁ、それはそれw
やっぱりこれも最高に美味しかった。
とにかく海老の存在感が抜群で、皮やパクチーとの相性も素晴らしい。
ということで…。
半年ぶりに味わった5種5様の餃子たちは、今回も絶品だった。
看板娘だとか大黒柱だとか、わけがわからない!と思われたかもしれないけれど、まぁ、味の感想には個人差があるので、どうかご容赦いただければと思う。