僕のマラソン人生において、岩本能史先生は別格の存在だ。
岩本先生なくしては、僕は、ここまで走ってこられなかったと言っていい。
2011年。
マラソンを始めたばかりの頃、この本に出会って僕は大きな衝撃を受けた。
この本には、後々詳しく紹介されることになる《岩本メソッド》のエッセンスが、ぎっしり詰まっていた。
僕にとっては、目から鱗の内容ばかりで、当時何度も、いや、何十度も読み返したことを思い出す。
岩本流ビルドアップ、峠走、ソツケン…。大事なことは、みんなこの本から教わった。
その後も、僕は岩本先生の本が出るたびに買い漁り、痺れた。
また、岩本理論を身体の中から支える《三種の粉》も、買うようになった。
そのいきさつについては、以前のエントリーで詳しく書かせていただいた通り。
僕は、岩本能史先生についていくと決めたのだ。
そんな岩本信者の僕なのだけれど、不覚にも、この本の存在を見逃していた。
だから僕は、これを本屋で見かけた時、「うわっ」と驚いた。
奥付を見たら、2013年の刊行だったので、もう7年前に出ていたことになる。
岩本先生の著書はしっかりチェックしていた筈なのに、いったいなぜ見逃していたのだろう。信者の名が泣く。
当然すぐに購入…と思ったが、実は少し迷った。
僕がこれを見つけた本屋は、いわゆる普通の本屋ではなく…古本屋だったからだ。
本の状態は文句ないものだったが、他ならぬ岩本先生の本なのだから、当然新刊で買うべきだ、と思った。
ただ、内容だけは少し確認しておこうと、ページをめくってみて、驚愕。
なんと、岩本能史先生のサインが入っているではないか。
いったい誰なんだ、岩本先生のサイン本を古本屋に売ったヤツは!けしからん!!
そんな不届き者に僕は怒りを覚え、また、サイン本を古本屋に放置しておくわけにはいかないという《使命感》が沸き上がってきた。
ということで、もちろん、僕がありがたく確保させていただくことにしたw
僕は昨日、これを貪り読んで、そして感動。
この本は、マラソンの戦術書ではなく、いわば、岩本能史先生の自伝と言えるべき本。
岩本先生が、超過酷なウルトラレースに至るまでの道程、そして、そのレースでのドキュメントが赤裸々に綴られている。
いやはやこれは、実に感動的な本だ。
こんな素晴らしい本、しかも、サイン本を手放す人の気が知れない。
まぁ、そのおかげで、僕は貴重な本をゲットすることができたので、感謝をするべきなのかもしれないけれど。
ただ…。
古本だけのゲットでは、岩本先生に申し訳ないため、別途電子書籍版もゲットしておこうと思っている。
いつでもどこでも読み返して、違う自分になれることができるように。