今年の2月。
「クイーン詩集 完全版」という本が刊行された。
これは、クイーンの楽曲群について、その英語詩と日本語を、見開き対訳の形で掲載した一冊だ。
この本は、正確に言うと《新版》で、その旧版は、以前から、コアなクイーンファンの間で有名だったのだけれど、絶版になっていた。
しかし、映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットにあわせ、完璧な形で再刊。
僕も、その恩恵に預かって、入手することができた。
日本語訳を読んだ後、あらためて各曲を聴き直すと、僕は、その凄さに震えてしまった。
もう、飽きるぐらいに聞いていた(と思っていた)曲なのに、とても新鮮に感じる。
歌詞に込められた深い意味を知ることにより、僕の中で、「クイーン・ワールド」がさらに広がったような気がした。
この本が凄いのは、対訳部分だけではない。
なんと、1曲ごとに、ミニ解説がついているのだ。そのボリュームとしては、3~4行程度のものであるが、いやはやこれが素晴らしい。
それもその筈、この解説は、クイーン研究の第一人者である石角隆行氏によるものなのである。
単なる曲の内容解説にとどまらず、その曲にまつわる、とっておきのエピソードなども掲載。
解説を読むためだけにでも、この本を購入する価値がある、と思うほどだ。
そんな石角氏が、なんと、クイーン全曲のコンプリート・ガイドブックを発売する!という情報を知り、僕は、いてもたってもいられなくなった。
もちろん、すぐにamazonで予約。先週末にゲットした。
僕は、予約日以来、その発売日をずっと心待ちにしていたから、期待のハードルは大いに上がっていた。
「クイーン詩集」での解説だけでも必要十分に思えたため、目新しい情報はそれほどないかもしれないという心配も抱いていた。
しかし。
そんな僕の心配は、完全な杞憂に終わった。
この本は、高い期待のハードルを、大きく超える本になっていたからだ。
曲の解説は、1曲毎に1ページ程度が割かれ、曲によっては、数ページ(!)にわたって書かれている。
それぞれの曲にまつわる、メンバーたちのエピソードも満載で、「知らなかった!」「そうだったのか!」と思うこと多数。
楽曲解説だけじゃない。
それぞれのアルバム毎に、発表時の背景や関連情報を詳細に解説。読み進んでいくたびに、《クイーン史》を辿ることができるようになっている。
各アルバム及びシングルの発売日や、【英】【米】【日】ヒットチャートの最高順位、アルバム発売当時の「日本盤帯コピー」まで掲載されている。
例えば、こんな感じだ。
いやはや、素晴らしい。素晴らしすぎる。クイーンのファンであれば、絶対に購入して損はないし、永久保存版の、まさに究極の1冊だ。
超、超、超オススメ。