先週末、山の日。灼熱の足柄峠走を終えて、僕はこの店に立ち寄った。
店の名は丸嶋。
いかにも大衆食堂、といった感じの趣を持った店だった。
この日は祝日ということで、店頭に国旗が掲示されていたのも、昔ながらの店なのだろうなぁという雰囲気を醸し出していた。
最寄り駅はJR東海の松田。
足柄峠走の拠点となる山北駅から2つめ。丹沢の麓に位置する駅だ。
僕はこれまで、松田駅で何十度も降り立っていたのだけれど、この店の存在に気がついていなかった。
それもその筈、僕はこの駅を出るとすぐに、乗換のため、小田急新松田駅に向かってしまっていたからだ。
今回、アフターランで立ち寄る場所について、Webで調べていたら、餃子ランナーとしては、見逃せない店であることを知り、立ち寄ることに決めた。
果たして、その餃子は、とても美味しかった。
峠走後の疲れた身体を、大いに癒やしてくれる素敵な餃子で、僕は「あぁ、この店を選んで良かった」と思った。
ということで、僕は、この店ならではの名物料理を食べてみることにした。
それは…。
餃子ラーメンだ。
メニュー表では、ひときわ目立つ表示をされており、「口コミで話題」「店長イチオシ」などのコピーも加わっている。
店内の掲示でも、大きく表示されている。
まさに、この店の看板メニュー的存在の料理なのだ。
もちろん僕は、入店前の調査時も、入店後も、この料理があることは知っていた。
しかし、こういったキワモノを食べる前に、まず、正しい餃子の味を確かめてからだ、と思い、焼餃子を注文したのである。
その味に満足できた僕は、満を持して(?)餃子ラーメンを注文することにした。
待つこと10分程度…。
餃子ラーメンが来た!
僕は、いきなりそのビジュアルに圧倒されてしまった。
ラーメン好きの人、特に二郎系などを好む人にとっては「たいしたことないじゃん」と思われるかもしれない。
しかし僕は、滅多にラーメンを食べないし、食べたとしても、あっさり系のものを好むので、これには結構驚いた。
スープはめちゃめちゃ脂ぎっており、しかも、猛烈に熱い。
そして、その具には…。
焼餃子の中身と同じモノがたっぷりと入っていた。
一応、念のために、店員に確認してみる。
「これは、餃子の具が入っているんですか?」
「そうです。餃子の具が1人前以上入っています。それに、もやしとニラを加えました。」
なんと、1人前以上(!)も入っているのか。いやはや、道理で凄いボリュームの筈だ。
餃子ラーメンには、そのスープをすくうレンゲの他に、具を食べるため専用のレンゲが添付されていた。
僕はまず、ひたすらこのレンゲで、餃子の具を食べることになった。
果たしてその味は、まるで餃子…とは思えなかった。
僕は、基本的に、小麦粉の皮で包まれていなければ餃子と認めない立場をとっているため、「これは餃子じゃないよなぁ」というのが、僕の感想だった。
たとえ焼餃子と同じ具材が使われていたとしても、小麦粉皮の存在がなくなった時点で、それは餃子と言えないからだ。
ラーメンの中に、餃子がそのまま投入されているのならば、(美味しいかどうかはともかくとして)それは餃子ラーメンと言えるが、これは、違う。
もしも僕が名付けるなら、これは、「挽肉野菜ニンニクラーメン」だ。
と、そんなことを思いながら、僕はその具を食べ続けた。
餃子ラーメンというネーミングに異論はあるものの、その味は、悪くない、と思った。
それはそうだろう。
僕が美味しいと思った餃子の具が使われているのだから、ラーメンに入っていたとしても、僕の好みには合う。
挽肉と野菜の相性は良く、ニンニクもパンチが効いていて、食べ応えがあった。
ただ…。
食べ進むうちに、僕は餃子が再び恋しくなった。
この具は、やっぱり、ラーメンに投入されるより、カリカリに焼けた小麦粉に包まれるべきものだと思ったからだ。
しばらく具を食べ続けると、ようやく麺に辿り着いた。
具の強烈なインパクトに比べて、実に印象が薄く、数日経った今は、ラーメンを食べたという記憶さえあまり残っていないほど。
ただ、まぁ、それでいいのかもしれない。このラーメンの主役は、なんと言っても、その具。
これは、あくまで、餃子の具を味わうためのラーメンなのだ、きっと。
見た目以上にボリュームのある具と麺、そして脂たっぷりのスープで、僕は、かなりお腹がいっぱいになった。
そもそも、ラーメンが出てくる前に、ビールと焼餃子を堪能しているので、僕にとっては、いつもより相当食べているのだ。
いやぁ、満腹。
居心地のいい店だったし、僕にとっては、ちょうど乗り替え駅となる町に存在しているため、また、峠走帰りに寄りたいと思う。
ただ、今度は焼餃子だけでいいかなぁと思っているけれどw
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