絶句。
僕は、昨日、帰宅途中の電車の中でこの情報を知り、思わず「えっ」と叫びそうになってしまった。
警視庁は自殺とみて調査中ということで、「いったい、なぜ…。」と思わずにいられない。
彼女の出演作品は多数あるけれど、僕にとっては、何と言っても「七瀬ふたたび」の七瀬だった。
「七瀬ふたたび」は、ツツイストなら誰でも知っている、永遠のベストセラー小説。
10年前、この「七瀬ふたたび」が、芦名星さん主演で映画化された。
その時、筒井先生は、《芦名星はもっとも七瀬らしい七瀬である》と絶賛されている。
僕は、1978年にNHKドラマシリーズで放映された、多岐川裕美主演の「七瀬ふたたび」に痺れた世代で、子供の頃からずっと、《七瀬=多岐川裕美》のイメージを抱いていた。
「七瀬ふたたび」は、その後何度もドラマ化されているが、やっぱり僕は、多岐川七瀬が最高だと思っていた。
しかし、芦名星さんは、そんな僕の固定観念を覆した。
映画全体の内容はともかくとして、確かに、芦名星さんは、まさしく七瀬らしい七瀬を演じていて、僕の中での七瀬像が変わったことを思い出す。
その後僕は、映画化を記念して発刊されたコミックを入手。
これは、2001年に刊行された《NANASE》の復刊なので、2010年の映画版とは異なるのだけれど、驚くべきことに、この七瀬もまた、芦名星さんのイメージそのままだった。
そんな芦名星さんが、もう、いない…。
「七瀬ふたたび」は、最高に大好きな作品なので、僕は、これまで十回以上読み直してきたし、コミックも、今回あらためて読み直した。
筒井康隆先生の署名と落款がある、僕の大事な宝物だ。
「復讐の森」巻には、映画化を記念した、芦名星さんの独占インタビューも掲載されている。
あらためて読んだら、また映画を見たくなってきた。
動画配信はされていないようなので、DVDをゲットしておくかなぁ…。