2001年9月。
僕は、初めて訪れたマンハッタンの地で、アメリカ同時多発テロ事件に遭遇した。
あの時の苦い記憶を、僕は一生忘れることはないだろう。
それ以降僕は、毎年9月に、年1回だけの長い有休を使って、マンハッタンに飛んだ。
忌まわしい事故で亡くなられた方々に、追悼の思いを捧げながら、旅していたことを思い出す。
その後、仕事の関係やらコロナ禍やらで、すっかりご無沙汰になってしまったが、昨年秋、久しぶりに訪問することができた。
2度目のニューヨークシティマラソン出走に加えて、活気溢れるマンハッタン観光もでき、とても楽しい思いを味わった。
超円安&空前のインフレで、何をするにもお金がかかって(特に食費)目眩がしたが、それでも、やっぱりマンハッタンは最高だった。
マンハッタンの見所はあまたあるのだけれど、僕がとりわけ好きなスポットは、ここ。
グランドセントラルステーションだ。
1日75万人が利用するという、マンハッタン最大の駅でありながら、構内の美しさ、荘厳さは、目を見張るものがある。
それはそうだろう。この2月には、110周年!を迎える、由緒ある建造物なのだ。
どこを見ても惚れ惚れしてしまうのだけれど、今回の訪問では、ちょっと驚いたことがあった。
そんな伝統ある駅構内の中2階に…。
Appleストアができていた!からである。
しかし、流石はApple。
それは、伝統ある駅のイメージを崩すことなく、見事に溶け込んでいた。
僕は、ここを見ることができただけでも、今回NYに行った価値があったと思っていたのだけれど…甘かった。
とてつもないサプライズニュースを知ったからだ。
なんと、このグランドセントラルステーションに、新ターミナルが誕生したというのである。
ニューヨーク郊外のロングアイランドとマンハッタンをつなぐロングアイランド鉄道(LIRR)が、2001年から乗り入れ工事を開始しており、実に111億ドル(約1.4兆円)を投じて、遂に竣工。
僕は、そんな計画があったことも知らなかったので、本当に驚いた。
LIRRは、これまでペンシルバニアステーション(これもマンハッタンの主要駅)に乗り入れていたけれど、グランドセントラルに直結となれば、通勤客の利便性はグッと高まる筈だ。
LIRRは、JFK空港からエアトレイン経由で乗車することもでき、僕は、8年前に空港からペンシルバニア駅に向かったこともある。
その時は、ペンシルバニアステーションから、タイムズスクエア近辺のホテルまで、移動がちょっと面倒だったのだけれど、今後は、その心配もなくなる。
20年の歳月をかけて、あの荘厳な駅に接続された、最新のターミナル。、
いったいどんな形で繋がったのか、大いに気になる。
いやぁ、また、マンハッタンに行きたくなってしまったなぁ。