東京マラソンまで、あと2週間。
そんな日曜日は、皇居へ繰り出すことに決めた。左腕にはギプスを巻いたままだが、それでも走れるということは、前日の月見ランでわかっていた。
ただそれは、あくまで「走ることが可能」というだけのことであって、きつい練習はできない。座骨も心配なので、今は、手探りで走る必要がある。
皇居外周は、そういう練習にはもってこい。1周5kmというキリのいいコースだし、気になってきたら、周回途中で、どこからでも離脱し、電車に乗ることが可能。
だから僕は、身体と相談しながら、無理のない範囲で走ろうと思った。
1周目。半蔵門から見下ろした情景。
まだ、夜は明けていなかった。今の時期、この時間はとても寒いのだけれど、僕はやっぱり、この時間のランが好きだった。「夜から朝に変わっていく」情景の変化が楽しめるからだ。
半蔵門から見下ろす景色も、周回ごとに、その彩りを変えていく。
2周目。
空はすっかり明るくなった。のろのろと1周走っている間に、夜が明けていたからだ。
まだ、この時間の皇居外周は、ガラガラ。
夕暮れ時などに走ると、ランナーでごった返していることもあるので、そういった点を考えても、夜明けの皇居ランは魅力的だった。
僕は、これで終わりにしようか…とも思ったのだけれど、身体に聞いてみると、「まだ大丈夫」という答えが返ってきた(ような気がする)ので、継続。
3周目。
すっかり上った朝日は、分厚い雲越しでも、その存在を大きく主張していた。
僕は、ここまで気持ちよく走ることができた喜びを噛みしめながら、皇居コースを離脱。
外堀沿いを少し走っていると…。
優雅に、ゆったりと動く白鳥が二羽。
水鳥たちも、静かな朝を楽しんでいた。
そんな情景を横目に見ながら、僕は、この日のゴール地点に辿り着いた。
東京駅だ。
その駅舎は、朝日をバックにして、素敵に輝いていた。
2週間後…僕は、ここに辿り着けるだろうか。辿り着けた時、どんな気持ちでいるだろう。
とりあえず、あと2週間の過ごし方が、とても大事だと思うので、僕は、最後の目標を心に描いた。
まずは何より、これ以上、新たな病気や怪我を重ねないこと。
そして…。
(以下、続くw)