最近は、寝ても覚めても、クイーンだ。
目覚まし音楽はクイーンだし、寝る前に聴くのもクイーン。もちろん、走りながら聴くし、通勤中も聴く。
仕事中…は、もちろん聴けないが、脳内で色んな曲がリフレインしてくるw
僕は、いわゆる《クイーン世代》と呼ばれるオッサンだが、リアルタイムでのクイーンファンではなかった。
それどころか、昨年秋までは、彼らの歌を数曲しか知らなかったのだ。
ところが、「ボヘミアン・ラプソディ」を見てから、突然覚醒。その後は、何度も映画を見まくっている。
通常の上映方式では飽き足らず…。
1985年にタイムスリップするライブ上映を鑑賞。
あまりに感動したので、1週後の追加公演まで参加した。
それぐらい、僕はもう、クイーンの音楽にメロメロなのだ。
そんな僕の、大きな味方になってくれたのは、Amazon Music Unlimited。
このサービスがあるおかげで、数十年遅れでも(いや、だからこそ)クイーンの音楽に浸りまくることができる。
昔のレコード時代だったら、たぶん、盤が擦り切れるほど、聴いている筈だ。
しかし、デジタルミュージックは擦り切れないし、劣化もしない。
いやぁ、いい時代になったものだなぁ…と心から思う。
Amazon Music Unlimitedでは、クイーンソングを300曲以上をダウンロードし、聴きまくっているため、ベスト10を作ってみたくなった時もあった。
しかし、断念。
クイーンファン歴数ヶ月の僕が、ベストを選ぶというのはおこがましすぎるからだ。
偉そうに、「これがベスト」などと書いたら、生粋のファンの方から石を投げられてしまう。
そもそも、クイーンの名曲は数え切れないほどあって、ありすぎて、10曲に絞ることなど、とてもできない。
ということで、ベスト10を選ぶのは諦めたのだけれど、個人的に、どうしても書いておきたいことがあった。
「ボヘミアン・ラプソディ」という映画は、楽曲のセレクションがとにかく素晴らしく、それは、エンドロールにも言える。
「Don't Stop Me Now」で大いに盛り上げた後、厳かに流れる「The Show Must Go On」という構成。いやはや素晴らしい。
この映画のラストには、この曲しかあり得ない!と思うほど、完璧な選曲だと思った。
ただ、何回か鑑賞するうちに、僕は、別の思いも抱くようになった。
もしも、エンドロールにまだ続きがあったなら…という思いだ。
前述のライブ上映では、エンドロール後に「アンコール」が起きたため、尚更そんな思いを抱いた。
その観点でクイーンソングを聴き続け、かつ、クイーンに関するさまざまなエピソードを調べてみると、僕の中で、特別の3曲が浮かび上がってきた。
今後、新たな発見で変動する可能性はあり得るけれど、現在の僕の気持ちとして、「ボヘミアン・ラプソディ」のアンコールで聴きたい3曲を書き残しておきたい。
These Are The Days Of Our Lives
日本語のタイトルは、「輝ける日々」。
『INNUENDO / イニュエンドウ』収録曲だ。
このアルバムを発表して、1年も経たないうちに、フレディはこの世を去ってしまう。
しかし、そんなことは微塵も感じさせないほど、ハイレベルの楽曲ばかりで、驚嘆する。
全体的には、重たいトーンの歌が多いのだけれど、この曲は、少し違う。
フレディは、最後のメッセージを語るかのように、ファンに向けて、優しく歌い上げている。
とりわけ素晴らしいと思うのが、楽曲の最後の最後に流れる、フレディのつぶやき。
「音」として聴いてもシビれるが、とりわけ、この映像で見ると、泣きたくなる。
「ボヘミアン・ラプソディ」を見た人ならば、「Love Of My Life」とのシンクロを感じるのではないかと思う。
そんな点も含めて、映画のアンコールソングにはぴったりだと思った。
Mother Love
フレディの逝去から4年後、1995年に発表された『Made in heaven』収録曲。
このアルバムは、フレディのソロ楽曲をクイーンの演奏に差し替えたものや、各種事情で他アルバムに収録されなかったものなどが含まれている。
フレディ参加のクイーンアルバムとしては、(特殊条件つき)ラストアルバムと言えるが、その中において、この曲は、とりわけ特別な意味がある。
前述『INNUENDO』のリリース後、フレディが、ボーカリストとして参加した、いわば、生前最後の楽曲となるからだ。
聴いていて切なくなるのは、曲の途中でボーカリストが変わること。
フレディは、気管支肺炎のためにフル・コーラスを歌うことができず、最後の節をブライアン・メイが歌っている。
曲のラストには、フレディのかけ声を含めたライブの音源が流れ、赤ん坊の泣き声で終わる。
母胎回帰という楽曲テーマも含め、実に泣ける1曲だ。
楽曲のオフィシャルビデオは、クイーンのメンバーが一切登場せず、SF仕立てになっている。
なんだかよくわからないけれど、深い意味を感じてしまう。
No One But You
1997年に、クイーン名義で発表された楽曲。
もちろん、もう、フレディ・マーキュリーはいない。
歌っているのは、ブライアン・メイとロジャー・テイラーだ。
しかし、フレディの魂は、この楽曲の中で、生きている。
タイトルが「No One But You」であり、「Only the Good Die Young」と添えられていることから、この曲が、フレディのことを歌ったのは間違いない。*1
この歌は、ブライアン・メイの甘く切ない歌声で始まり、2番で、ロジャー・テイラーの力強いハスキーボイスに繋がる。3番で再びメイに戻り、そしてコーラス。
2人の、フレディへの思いが、その歌声からひしひしと伝わってくる。
オフィシャルのPVがこれまた素晴らしい。
クイーンの3人によるセッション風景となっており、これを見ると、さらに切なさが高まる。
ところどころに挿入される、フレディのライブ映像が、これまたたまらない。
ベースのジョン・ディーコンは、この曲を最後に、クイーンを去る。
その映像を見ると、この曲は、まさに、フレディへの最後の追悼ソングだということを感じずにはいられない。
この映像は、何度見ても胸に染み入るし、その音楽は、何度聞いても泣ける。
超絶の名曲だ。
*1:当時事故死したダイアナ元皇太子妃に捧げたものとも言われているが、制作者であるブライアンの心の中に宿っていたのは、間違いなくフレディだと思う。