9月24日発売。
既に発売から1週間以上経ち、例によって今更感が満載。しかし、旧ブログ時代から、この雑誌のレビューは続けてきたので、個人的な覚書として、やっぱり書き残しておくことにした。
今号のメイン特集は、「21世紀 ミステリ映画の未来」。
ミステリと映画は非常に親和性が高いので、同誌では、これまでに何度も特集されている…と思っていたのだけれど、そうではなかった。
序文によれば、なんと、2001年11月号以来。なんと15年ぶりの特集だというから驚いた。ここ数年で、TVドラマ「シャーロック」の特集は、もう何度も行われているのになぁ…。
しかし、そこはミステリマガジン。長い間待たせただけのことはある、渾身の特集内容になっていた。
15年前の特集名は、「二十世紀ミステリ映画の遺産」ということで、20世紀の映画を総括するものになっていたため、今回は、「21世紀」の映画に絞った特集。しかし、それだけでも十分の内容だ。
何と言っても、冒頭の座談会が秀抜。
小山正×滝本誠×真魚八重子×三橋曉×柳下毅一郎という、ミステリを知り尽くしたメンバーたちが、とことん語り合いながら、21世紀のミステリ映画ベスト10を決定するのだ。
決定されたベスト10作品は、僕が未見の映画ばかりだったため、どれもこれも見たくてたまらなくなった。
未見が多いと言うのは、実に恥ずかしい状況で、そもそも、それで自分はミステリファン、映画ファンと言えるのか?と思う。
しかし、逆に言えば、それだけの傑作群を、「これから初めて」見ることができるのは、とてつもない幸せとも言える。
今はちょっと色々忙殺されていて、まとまった時間が取れないのだけれど、今度じっくり時間をとって、ベスト10の映画に浸ってみたい。
座談会以外の内容も、もちろん素晴らしい。
ミステリ映画に関するさまざまなエッセイが12本も収録されているし、編集部による「21世紀海外ミステリ映画総目録」がこれまた圧巻。
エドワード・D・ホック、マックス・アラン・コリンズ&マシュー・V・クレメンスの短編競作も、映画がテーマになっており、流石は、ミステリマガジン!と言える渾身の特集になっている。
ダテに15年も待たせたわけじゃないのだ。
資料的価値が非常に高い、ミステリ映画ファン必携の保存版だと思う。