追悼特集は切ない。
今月号のSFマガジン誌面には、そんな特集がふたつ並んだ。
メイン特集は、SF界の巨匠、ジャック・ヴァンスの追悼特集。記念すべきデビュー作を含め、本邦初訳の3篇が掲載されているので、ファンにとっては嬉しいと言える反面、もう、新作を読むことは永遠にできないという思いで切なくなる。
ただ、ジャック・ヴァンスの場合は、近年は新作を発表していなかったし、既に96歳だったから、いわば大往生とも言えるかもしれない。
もうひとつの追悼特集が、僕にとってはさらに切なかった。
金子隆一氏。
SFマガジン誌において、「センス・オブ・リアリティ」という記事を連載中だったので、あまりに突然の追悼特集に驚いた。連載における同氏の寄稿は、今年10月号以降ストップ*1していたが、まさか亡くなっていたとは。
SF界ではニュースにもなっていたようなのだけれど、最近僕は、情報収集が追いついていなかったため、ちょっと驚いてしまった。
まだ57歳。あまりに突然の死。人生というのは儚いものだなぁ…。
僚誌であるミステリマガジンでも、エルモア・レナードの追悼特集が掲載。最近、本当に追悼特集が多いような気がする。
ただ、ミステリマガジンのメイン特集は、そんな重たい雰囲気を吹き飛ばすものだった。
メディアを絡めた企画はミステリマガジンの得意技だが、今度は「あまちゃん」ときた。
ミステリマガジンと、あまちゃん!何だかどうにも合わないような気がするのだけれど、それを力業で組み合わせてしまうのが、同誌の真骨頂。あまちゃんの世界をローカル・ミステリと結びつけて特集に仕上げている。
読者からの反発に備えて(?)か、《「あまちゃん」とはミステリか》という座談会まで組んでいるのだから用意周到だ。
過去には、ミルキィホームズまで取り込んだ経緯のある雑誌だから、僕はもう驚かない。これからも、枠に縛られず、自由な発想で楽しく誌面を作って欲しいと思う。
次は半沢直樹だろうかw
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