田原町の感動エイドを出て、上野方面へしばらく走ると、歩道が人で溢れてきた。
この辺りは、もともと混雑している地域の上に…。
この日はお祭りが開催されていたようで、神輿などが出ており、大混雑の状況を呈していた。
ランニングするには、かなり厳しい状況だったが、しかし、それでも何の問題もなかった。走れないなら、歩けばいい。このイベントは、タイムを競うレースではないからだ。
僕らは、ここまでなかなか速いペースで40kmを走ってきていたため、絶好の足休めにもなって、むしろ良かったと思う。
上野の祭り地区を抜けると、今度は秋葉原で大渋滞。
しかし、それも万世橋手前まで。橋を越えると、歩道は閑散となり、一気に走りやすい道へと変わった。
僕らは、最後の安息の地、「こあしすエイド」に向かって一目散。
このエイドは、去年…。
なんと水餃子が出てきて、驚いた、そして感動したエイドだ。
今年は、水餃子こそなかったものの、別のサプライズが僕らを出迎えてくれた。
コスプレに身を包んだスタッフたちw
僕らのラン仲間でもあるスタッフは、少し照れながら、でも、疲れた僕らをとても和ませてくれた。いやぁ、最高だ。
このエイドも、前回、田原町のエイド同様、屋内でゆったりと過ごすことができ…。
新鮮なフルーツ、野菜などが取り揃えられていた。
屋内には、スタッフからの温かい手書きメッセージが満載。
見ているだけで、心がほっこりして、元気になる。コスプレをしたラン仲間とのトークも楽しく、本当に居心地のいいエイドだった。
僕は、いつまでもここでゆったりしていたいような気分を抱いていた。
が、そういうわけにはいかない。
メッセージにも書かれていたように、ゴールまでは、あとたった6.2km。
そして、ゴールでも大きな《ご褒美》が待っていることがわかっていたため、僕らは出発した。
残すは、あと皇居1周あまりの距離。
楽勝楽勝…と思っていたのだけれど、最後の最後に、「ひと捻り」が待っていた。
写真を撮り忘れてしまったが、こあしすエイドの後、コースは、実際の皇居外周へ。
ただ、まるまる1周走るわけではなく、「竹橋~半蔵門」区間のみ通過する設定になっていた。
皇居を走った経験のある人ならおわかりだと思うけれど、この区間は、皇居外周のうち、《上り》の部分だけになる。何とも憎らしい(?)コース設定ではないか。
距離としては、たった1.5km程度だし、皇居ランは慣れているので、たいしたことはない…筈だったのだけれど、これが意外と身体に応えた。
なんと言っても、ここまで45km近く走ってきているし、2つの極楽エイドに癒やされて、身体が少し鈍ってしまっていたからだ。
さらに。
主催者は、もうひとつ、「そう簡単にはゴールさせないぞ!」と言わんばかりの『スパイス』を用意してくれていた。
最終チェックポイント。須賀神社。
この階段を上って、上から写真を撮れということだった。
50km近くを走ってきたあと、ゴールを目前にして、これを上るのは、結構しんどかった。
しかし、ここに来たならば、確かに、この情景を写真に収めなければ意味がない。
そう、この場所は…。
「君の名は。」の、このシーンで、一躍有名になった場所だったからだ。
僕らは、当然の如く、みんなで「君の名は。」ごっこも行い、写真に収めたりして盛り上がった。
階段を上るのはキツかったけれど、とても楽しいひととき。
いやぁ、本当に考え抜かれたコース設定だなぁと、僕は感動してしまった。
そんな感動を噛みしめながら、ラスト2kmを走り抜け…。
フィニッシュ!!
ゴールインした途端に、冷たい生ビールが飲める幸せ。いやはやたまらない。
生ビールに加えて、冷やし中華やソーセージなども提供していただき、感激至極。
今回、走り抜けたコース。
東京ウルトラマラソン、というその名の通り、東京を、ぐるっと一周。実に考え抜かれた、素晴らしいコースだった。
7時間近く走ったが、その長さを感じない、いや、むしろ、それで終わってしまうのが寂しいと感じるほど、夢のようなイベントだった。
そして。その感動は、ランフィニッシュで終わらなかった。
今回、僕が参加したのは、ハーフ部門(50km)だが、前述したように、このイベントには、他にも、フル(100km)及び、100マイル(160km!)部門がある。
この参加メンバー、そして、イベントを支えてくださったスタッフたち。
それらが皆、一堂に会した打ち上げが開催されたからだ。
店を貸し切って、3時間後の記念写真。
この中には、160kmなどというとてつもない距離を完走したメンバーが何人もおり、100kmを走ったメンバーも多数。何しろ、スタッフも含めて、素晴らしいランナーばかり。
いやはや、本当に素晴らしい、夢のような楽しいひとときを過ごさせていただいた。感謝感激だ。
今回のイベントでは、参加賞までいただいている。
ウォータープルーフバッグや、Garminのシューズバッグなど、実用的なもので、実に嬉しかった。
振り返ってみて、あらためて、このイベントの素晴らしさを実感。
来年も絶対に参加させていただくつもりだ。