一瞬、僕は目を疑った。
Webをつらつら眺めていた時、たまたまその記事が目に入って驚愕。虚構新聞ネタか?と思った。
しかし、それは虚構でもデマでもなかった。
僕はテレビを殆ど見ないので気がつかなかったが、NHKのニュースにも流れたようなので、間違いないだろう。
今回僕が驚いた内容は、記事から要約すると以下の通り。
- 政府が、東京五輪期間中の道路混雑緩和対策を検討
- 宅配大手三社に対し、期間中に以下の特別対応を要請へ
- 配送ルートの変更
- 再配達の削減
- 時間帯を指定した配達の中止
このうち、1と2は、まぁ理解できる。
東京オリンピック・パラリンピックは、日本にとって非常に大きなイベントだから、それをスムーズに運営させるために、ある程度、道路混雑緩和対策は必要だと思う。
また、年々増え続けている宅配需要を考えれば、宅配業者の車に対して、ある程度特別対応を要請する必要がある、というのもわからなくはない。
問題は、その具体策だ。
3.配送ルートの変更:どう変更すれば道路混雑が緩和するのか不明だけれど、検討する余地はあると思う。
4.再配達の削減:何回も配達することになれば、当然その分交通量は増えるわけで、その対策検討が必要だということも理解できる。
しかし…。
5.時間帯を指定した配達の中止:これだけはどう考えても理解できない。僕には、この案が、どう交通量削減と結びつくのかさえも意味不明だ。
利用者が時間帯を指定できなければ、そのぶん、都合のいい時間帯に配達されない可能性が高くなり、結果的に再配達の回数が増える。
だから、4と5の案は絶対に矛盾するのだ。
政府は、宅配会社へ要請する前に、この矛盾に対して明確な説明を行ってもらいたい。
そもそも、国土交通省のWebサイトに掲載されている、以下の文章はいったいなんなんだ。
再配達削減のために活用をお願いしたい3つのこと
時間帯指定の活用
各事業者の提供しているコミュニケーション・ツール等(メール・アプリ等)の活用
コンビニ受取や駅の宅配ロッカーなど、自宅以外での受取方法の活用
赤字や太文字の強調は、今回僕が加工したわけではなく、もともとのページで強調されている通りのものだ。
国土交通省が《再配達削減のため》に《時間帯指定の活用》と言っているのに、政府が宅配会社に対して《時間帯指定の配達中止を要請》するというのが、あまりにも不可解すぎる。
今回のニュースでは、関係省庁や経済団体が参加する会議のメンバーが検討したと発表されているが、関係省庁の中に、国土交通省が入っていないとでも言うのか。あり得ない。
当然入っていると考えると、国土交通省の人間は、この矛盾に気がつかなかったとでも言うのか。
いずれにしても意味不明、理解不能だ。
もちろん、再配達削減のために、コンビニ受け取りや宅配ロッカーなど、自宅以外の受取方法を活用、促進するというのも大きな方法だろう。
しかし、宅配で注文する商品全てが、コンビニで受け取れる大きさ、重さのものとも限らない。
今は、何でもかんでもWebで注文ができる時代。
例えば、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などの家電だって、普通にWebで注文し、宅配で届けれられる。
仕事などの理由で不在がちの人間が、これらの大型商品を確実に受け取りたい場合、《時間帯指定》は必須。
こういった需要を無視して、「時間帯を指定した配達の中止」要請するというのが、僕は、どう考えても納得できない。