長い間、積ん読のままにしていた「火星の人」をようやく読んだ。
僕がこの本を購入したのは、もう10年も昔。
今回読もうと思ったきっかけは、もちろん、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」と同じ作者(アンディ・ウィアー)の作品だったから。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」はとにかく最高の映画で、僕は4回も見に行ったが、映画鑑賞後に買った原作も素晴らしかったので、「火星の人」も読んでみよう!と思ったわけだ。
この本は、10年前に映画化され、ベストセラーになっている。
そう。
これは、火星を舞台にした映画「オデッセイ」の原作本なのである。
僕は、当時その「オデッセイ」を見て、感動した。
だから僕は、その映画を見終わった後すぐに原作本も購入したのだ。
この表紙を見ると、当時の映画化がいかに話題だったかがわかるだろう。
僕もそれに釣られて買ったクチなのだけれど、当時は序盤で躓いてしまった。
ということで、「時間のある時に、じっくり落ち着いて読もう」と考えていて、10年間塩漬けにしてしまったw
ということで、この連休期間中に、じっくり腰を据えて読むことにした。
主人公(マーク・ワトニー)の能天気っぷりは、映画を断然凌ぐ。
火星にひとりぼっちだっていうのに、どうしてそんなに「ハイ」になれるのかと思うぐらい明るい。
どんなに苦難に陥っても(いや、苦難ばかりなのに)めげないし、明るい。
ユーモアも抜群で、僕は何度も笑ってしまった。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の時も思ったが、これがアンディ・ウィアーの作風なのだろう。素晴らしい。
ただ、基本はハードSF*1なので、理系の知識がないと、「火星で何が起きているのか」が、とてもわかりにくい。
僕は一応SFファンなのだけれど、ハードSFは苦手なので、だから10年前は序盤で躓いてしまったのだ。
今回も、途中からかなりキツくなったけれど、マーク・ワトニーの明るさに救われて、最後まで読み切った。
面白かったのだけれど、僕に理系の知識や、もう少し豊かなイマジネーションがあれば、もっと楽しめたんだろうなぁと思った。
ということで僕は、本を読んだ後、10年ぶりに「オデッセイ」も見返してみることにした。
映画に感動した記憶はあるけれど、ジャガイモ作りの印象が強すぎて、それ以外のシーンは、全く思い出せなかった。
だから今回、原作を読んだ後に見ることで、新しい発見がありそうだぞ、と期待してAmazonでレンタル鑑賞。
結果、やっぱり面白かった!
…ただ、原作とは大きく違っているなぁと思った。
原作は、とにかくマーク・ワトニーに始まり、マーク・ワトニーに終わる小説という印象。
どんなときにもユーモアを忘れない語りっぷりと、明晰な頭脳、強靭な体力で、次々発生する火星のサバイバル状況を乗り越えていく。
映画版のマーク・ワトニーも、強靭でユーモアもあるけれど、それと同時に「ワトニーをどうやって救うか」という地球側、宇宙船側の視点が強く描かれていた。
だから、原作でマーク・ワトニーが《火星ならではの苦難》に苦しんだ部分は、大幅にカットされている。
その分、映画ならではのわかりやすさもあるので、2時間半にまとめるなら、こういう形なんだろうなぁとは思った。
いずれにしても、傑作であることは間違いないけれど。

*1:物理学、天文学、生物学など、現代の科学知識や技術に深く基づき、物語の舞台設定や解決手段が厳密な科学的論理で構築されたSF



