5月末。
僕は、都内屈指の人気温泉施設、「さやの湯処」に出かけた。
このとき、僕は20年ぶりぐらいの訪問だったのだけれど、あまりに感動したので、その1週間後に再訪。
そして、先週もまた有休をとって訪れた。
もはや「さやの湯処」は、僕にとって、なくてはならない場所になりつつある。

「日常を忘れる時間がある」という、そのキャッチコピーどおり、憂鬱な日常を忘れさせてくれる超快適空間なのだ。
高濃度炭酸泉で心がやすらぐ。
源泉かけ流しの露天風呂もたまらない。
温泉を独り占めできる「つぼ湯」は快適そのもの。
ゆったりのんびり眠れる「寝ころび湯」もいい。
多種多様なジェットバスで身体がほぐれまくる。
さらにサウナもしっかりあるから、いくら時間があっても満喫しきれないほどだ。
僕は、あまりの気持ちよさに、入ったり出たりを繰り返し、2時間以上たっぷり温泉を堪能した。
しかし、この日はそれが裏目に出た。
何回目かの《ジェットバスマッサージ》を受けていた時のこと。
僕は、激しい水流に肩や腰をあて続け、「あぁ、気持ちいい!」と心の中で叫んでいたが、突然意識が遠のく感じがした。
「くらっ」としたのだ。
凝りまくっている肩や腰は、まだまだマッサージしてくれと訴えているようだったが、そのまま入り続けていると危険な気がした。
今から思うと、気がついたときには、すでに手遅れだったのかもしれない。
僕は、完全にのぼせてしまったのだ。
浴槽に入った後は、適度に休憩をとっていたつもりだったが、それでも、入ったり出たり2時間はちょっと長すぎたのかもしれない。
しかも、途中ほとんど水分をとらなかったから、尚更危険だった。
僕は、めまいを感じながらジェットバスを出て、脱衣所へ向かうことにした。
そこで水もたっぷり飲んだのだけれど、めまいが治まることはなかった。
僕は、脱衣所の椅子に座って、ぐったり頭を抱えた。
係員の人に「大丈夫ですか?」と声をかけられたほど、僕の状態は悪かった。
這々の体になりながら、僕は何とか着替えて脱衣所を出た。
しかし、クラクラ感は一向に収まりそうになく…。

しばらくここで休むことにした。

ぐったりと横になりながら、天井を眺め、気がつけば1時間が経っていた。
ようやくなんとかめまいが治まったので、退館。
この日は、温泉帰りに行く予定だった店が閉まっていたので、愕然としてしまったが、結果的には、そこで《餃ビーしなかったこと》が正解だった。
あとでAIに確認したところ、僕は完全に脱水症状に陥っていたようで、そんな身体に、利尿作用のあるビールを流し込むのは避けるべき、という見立てをもらったからである。
翌朝、体重を量ったら前日よりも1.4kgも落ちていた。
たぶん、そのほとんどが前日に失われた水分だったのだろう。
やっぱり僕は、極度の脱水状態に陥っていたのだ。
教訓。
さやの湯処はとにかく最高で、憂鬱な日常を忘れさせてくれるが、その快適さゆえに、時間も給水も忘れて、入りまくるのはとても危険だ。
今後は、たっぷりの水分補給と休憩を計画的に挟みながら、過ごすことを心がけたい。

