僕は、意気揚々と「唐子」を出て、次の店へと向かった。
約束の商談時間までは、まだ1時間以上ある。もう1軒は行ける筈だ。
ただ、問題は、ノープランだったこと。今回の出張は突然決定したため、僕は、神戸の餃子店探しをしている時間がとれなかったのである。
5年前の神戸出張は、元町付近で商談だったため、南京町の有名店である「ぎょうざ苑」を訪問。
南京町では、いくつか他の店も見つけていたため、そこに行けば話は簡単。
しかし、今回の商談場所は、神戸三宮から数駅の場所にあったため、南京町まで足を伸ばす*1のはちょっと危険だった。
ということで、僕は、三宮周辺で店を探すことに決めた。
行き当たりばったりではなかなか厳しい…と思っていたのだけれど、駅の近くに、巨大なショッピングセンターを発見。
その地下が食堂街になっており、中華料理店も数多く入っているようだった。
よし、それならば、きっと餃子が「売り」の店もある筈だと思い、細かい情報検索などをしないまま*2、ふらりと地下を彷徨った。
すると…。
こんな店を発見。
香港風中華料理「好再来」。「ギョーザ(味自慢)」という提灯は、既成のものだと思うけれど、それでもやっぱり目を惹いた。
店の入口には、ズラリと、リーズナブルな定食メニューが並んでいた。
そして…。
おすすめ料理として、焼餃子の看板もあった。その値段は280円。安い。
フォントがちょっと怪しい感じだったし、隣の「チョりソ」(なぜか、「り」だけひらがなw)という表現も気になったが、まぁ、中国系の店ではよくあること。
きっと、それだけ本格的な中華料理が食べられるのだろう(ホントか?)と思い、入店してみることにした。
店内の情景。
絶えず中国音楽が流れていて、《香港風中華料理》店のムードを醸し出していた。
店内にも焼餃子の看板。曰く
「美味しくなったこだわりの手つくりのジューシー餃子」
とのこと。日本語的にはちょっと微妙で、むず痒い感じがするが、まぁ、言いたいことはわかる(^^;
僕は、すでに「唐子」で餃子12個を食べているため、ここでは餃子のみにするつもりだった。
が、流石に280円の料理ひとつだけというのは、ちょっと申し訳ないように感じ、軽めの前菜だけでも頼んでおくか、と思った。
ということで、このメニューの中から物色し…。
ザーサイの和え物を注文。
結論から言うと、はっきり言って美味しくなかったw
ザーサイの値段は380円。焼餃子よりも100円高い料理だったので、ショックが大きい。
決して法外な値段というわけではないから、これも勉強料なのだと自分に言い聞かせたが、不安は募る。
餃子の味も同じレベルだったらどうしよう…という不安だ。
待つこと数分。
餃子が出てきた!
いかにも「冷凍物の既製品を焼きました!」という感じのビジュアルで、僕は、不安が的中してしまったかと思った。
中身もスカスカ。
だから、一口囓った段階では、
「美味しくなったこだわりの手つくりのジューシー餃子」
じゃないだろ!と、文句を言いたくなった。
ただ、味わっていくうちに、僕の不満は消えていく。
その具は確かに寂しい感じだったが、タマネギがいい仕事をしているのだ。
ちょっと甘くて、しっかり味もついている。意外と悪くないじゃないか。これで280円なら、コスパは十分だと思う。
余計なザーサイを頼んでしまったせいで、累計660円になってしまったのは、誤算だったが、僕はひとまず満足して店を出た。
商談の時間から逆算すると、僕は、あと数十分で駅まで戻っておく必要があった。
2軒の餃子で、とりあえずお腹も満たされたし、コーヒーでも飲んで少しだけ時間を潰しておくかなぁ…と、思いながら、僕は、さんプラザの食堂街を歩いた。
そして、自分が大きな失敗をしてしまったことに気がつく。
(以下、続くw)