Nokia。
古くからのモバイルガジェット好きであれば、誰もが、その言葉に特別な響きを感じる筈だ。
フィーチャーフォン(ガラケー)時代も、スマートフォンの黎明期も、Nokiaの端末たちは、いつでも、その中核にいた。
オーソドックスな端末を手がける一方で、冒険的なデザインやギミックの端末も発表。いつでも僕らをワクワクさせてくれた。
まだ、iPhoneやandroid端末などが、市場に存在していなかったころの時代だ。
しかし、時代は残酷で、いつしか、iPhoneの、そしてandroidの波が押し寄せ、見た目的には全く面白くない、フルタッチ端末ばかりが世間に溢れてしまうようになった。
その煽りを受け、スマートフォン界を牽引してきたNokiaは、市場からの撤退を余儀なくされてしまう。
そして、Nokia社は、携帯事業の売却を決断。もう、これで終わりだと思った。
が…。どっこい、Nokiaのブランドは死んでなどいなかった。
昨年末、このようなニュースが入り…。
世界最大のモバイル関連展示会であるMWC2017では、「NOKIA」ブースが復活。各種の新端末が展示されることになった。
ただ、正直に言うと、Android OSを搭載した、Nokia 6などについては、全く心を惹かれなかった。
そんなものは、別にNokiaブランドじゃなくてもいいと思ったからだ。
だから…。
Nokiaブースで、この端末に人気が集中したのも納得できる気がする。
Nokia 3310。携帯電話時代の名機が、なんと17年ぶりにリバイバル。モバイルファンならば、注目せざるをいられないだろう。
対応ネットワーク規格がGSMのみであるため、日本では使うことができず、欧州専用になってしまうのが残念だけれど、もしもこれがヒットしたならば、Nokiaの、往年の端末たちも復活してくれるように思うので、僕はそれに期待したい。
ということで、昨晩、久しぶりにこの端末を取り出してみた。
Nokia E90 Communicator。
かつて、Nokiaのフラッグシップだった、圧倒的なスマートフォンだ。
実に久しぶりの利用だったが、少し充電したら、ちゃんと立ち上がった。
懐かしいNokiaチューンの音とともに、これまた懐かしい起動画面。この音を、そして、画面を見ると、モバイラー熱が甦る。
僕のブログだって、しっかり表示可能だ。
ただ、今回、E90の存在を初めて知った人にとっては、単なる古くさい端末に思えるかもしれない。
「画面狭すぎ」「ごつくてダサい」「野暮ったい」だけの携帯電話だと考えられるかもしれない。
しかし、E90の実力は、そんなものじゃないのだ。
確かに、このスタイルだと、webを閲覧するには非常に無理があるが、テンキーのストレートタイプなので、通話用としてはとても使いやすい。
だから、通話する時は、このスタイルで使って、いざwebを見たくなったら…。
端末を開けばいい!のである。
幅広い画面とともに、Qwertyキー、数字キー、カーソルキー、コマンドキーまで存在しているため、Web閲覧、操作、入力が自由自在。
いやはや、やっぱりこれは素晴らしい。
日本語入力だって可能*1。
昔の写真の使い回しでないことを証明するため、トレンドワード(?)を入力してみたw
入力した情報を、メールなどで送信することだってできる。
今となっては、当たり前の機能だけれど、この端末が発売された10年前は当たり前ではなかった。
便利に通話ができて、Webも快適に閲覧できるうえ、Qwertyキーによる快適な入力環境まで有している端末は、この端末だけだったのではないか。
さすが、当時のNokiaのフラッグシップ、Communicatorと名乗るだけのことはある端末だ。
加えて強調したいのが、その圧倒的な質感。盆百のスマートフォンとは一線を画した重厚さを、この端末は備えている。
僕の拙い文章では、その質感の素晴らしさを伝えきれないのが、とても残念だ。
チャージャーも健在。充電しながら画面を確認できるのが嬉しい。
このチャージャーは、本体とバッテリーを同時充電できる優れもの。
僕は予備バッテリを持っていたので、今回、あわせて充電できた。
最近は、バッテリ内蔵のスマホばかりになってしまったけれど、入れ替えができるタイプなら、予備バッテリさえあれば、いつでも安心して運用できる。
こういったところも、とても懐かしく感じた。
とにかく、何もかもが素晴らしい端末。
発売後10年経っているため、パフォーマンス的にはもちろん厳しいが、まだ現役で活躍できるだけの力はある。
何より質感が素晴らしいため、持っているだけで幸せになれる。
Nokia復活のニュースを祝して、この端末も復活利用していきたい。
*1:標準搭載されているわけではなく、専用のアプリ導入が必要。僕は、以前それを導入済みだった。