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【将棋A級順位戦】「対局者のノーマスク指摘」で「警告なし一発反則負け」になる、将棋界ルールのモヤモヤ

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名人位を賭けて争う「順位戦」は、将棋界最高の棋戦。

A級からC級2組まで5つにクラス分けされており、1年に1回しか昇級できないため、A級に至るには、最短でも4年かかる。

だから、将棋界にたった10人しかいないA級棋士は、別格中の別格。

デビュー以来快進撃を続けている、あの藤井竜王/五冠でさえ、今年ようやく到達したほど、A級棋士の壁は高い。

そんな別格のA級順位戦で、信じられないような大事件が発生した。

昨日の朝10時から、14時間に及んでいた激戦のまっただ中、いきなり、元名人でもある佐藤天彦九段が反則負けになってしまったのだ。

僕は、将棋連盟モバイルアプリで、リアルタイムに勝負を追っていたが、佐藤九段優勢の最終盤で、突然、反則負けというコメントが表示されたため、驚愕。

しかも…。

なんと、マスク不着用での反則負け。

佐藤九段は、夜戦になってから、1時間程度マスクを外して考えていた時間があり、それが反則負けに繋がったというのだ。

前代未聞の衝撃的結末で、僕は言葉を失った。

1時間は長い、と思う人がいるかもしれないが、順位戦などの持ち時間が多い棋戦では、勝負所で1時間、2時間かけて考えるのは日常。

没頭のあまり、マスク着用の意識を漏らしてしまうことはあり得る。

対局者含め、誰かが一言注意すれば収まっていた話ではないか。

勝った方も、こんな反則勝ちで嬉しいか?と、普通なら考えてしまう。

しかしこれは、対局者である永瀬王座からの指摘で決まったと知り、僕は、後味の悪さが2倍になった。

永瀬王座は、なりふり構わぬ「負けない将棋」を売りにしており、千日手や持将棋も(相手が疲労困憊するぐらい)積極的に指す。

和服着用は落ち着かないと言って、伝統あるタイトル戦での着用も拒否。

それぐらい勝負にこだわる棋士であるが故に、今回も、将棋界のルールに則って、「負けない将棋をした」だけと言えるのかもしれない。

だからこれは、そんなへっぽこ規定(と、あえて言いたい)を作った将棋連盟側に問題があると思う。

今年1月に決まった臨時対局規定によるものらしいが、具体的な不着用時間の明記もない曖昧な規定で呆れてしまう。

そもそも将棋は、黙々と延々指すだけで、勝負の間は会話などしない。

それなのに、なぜ、未だに、どうして、そんなにマスク至上主義のルールが適用されてしまうのか。

今や、世界的にノーマスクとなってきている状況なのに、大丈夫か、ニッポンと思えて仕方がない。

佐藤九段は「以前は、マスク着用の注意を受けていたケースもあった。今回は注意も受けていない」と反論したが、判定は覆らなかった。

そりゃぁ、反論したくもなるよなぁ…。

注意や警告をすると、反則負けを防止する助言行為になってしまうという意見もあるが、それは、「二歩」や「打ち歩詰め」の反則における話。

「マスク不着用」を、それと同列に取り扱うのは、ちょっと無理があるんじゃないかと思う。

今回、佐藤九段の対戦相手が永瀬王座でなければ、普通に対局が終わっていた可能性が高いだけに、僕は、残念で仕方ない。


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