僕は、たいてい夜明けの時間に走っている。
平日は、夜の帰宅時間が全く読めないため、走るなら朝しかないし、休日は、昼間に予定の入っていることが多いため、その前に走っておきたいからである。
夜明けランナーにとって最高のシーズンは、なんと言っても夏だ。
夏は、日照時間が長い。そして、日が昇れば昇るほど暑くなる。
ランナーにとって、灼熱の太陽は、大きな敵。僕は、それほど夏の暑さが嫌いではないけれど、それでも積極的に走ろうとは思わないほど、強敵だ。
しかし、唯一《日の出の時間》の太陽だけは、例外。
夜から朝にかけての時間帯は、1日のうちで、もっとも気温が下がるため、非常に走りやすいのである。
この時期は、起きてすぐ、Tシャツ短パンの軽装で走り出すことができるのも、大きなポイント。
雨が降っても問題ない。夏場に、雨の中を走ると、爽快な《シャワーラン》が味わえる。僕は、蒸し暑いより、断然雨の方がいいと思っているほど。
だから、夏の夜明けランはとても楽しい。
快晴で猛暑日が予想されている日であっても、夜明けの時間ならば十分走れる。
太陽が上り始める頃にランを終えれば、「勝った!」という気分にもなれて最高だ。
その反面…。
冬は全てが裏返しになる。
この時期、ランナーにとって、太陽は大きな味方。たとえ冷え込んだ日であっても、陽だまりの中を走れば、気分だけは暖かくなる。
しかし、夜明けランナーは、その恩恵を味わえないからだ。
雨が降ったら最悪。この時期の雨は、夏の雨と違って、爽快なシャワーランとは言えない。脳裏に日野美歌がフラッシュバックする雨。そう、氷雨だ。
冷たい雨の中を走っていると、心が折れそうになるため、日差しはとても重要と言える。
また、Tシャツ短パンで、気軽に走り出すわけにはいかないのも厄介なところ。走り出すまでの装備が面倒。
いざ、走り出した後も、僕の身体は、常に、寒さと戦い続けなければいけない。
僕は、特に寒さに弱く、特に指先が冷える。
手がかじかんで、持参した飴の袋を切ることさえできなかったりして、泣けてくる。
《日の出の時間》は、放射冷却の影響もあって、とにかく気温が下がる。日中はランナーの味方になる太陽が、夜明けの時間だけは敵なのだ。
先週末のロングランでも、僕は、この責め苦を味わった。
この日は、十分に日差しが降り注いだ1日で、日中は13℃まで気温が上がったけれど、僕が走っていた時間(赤枠帯)は、2℃台だったからだ。
いやぁ、ほんと、寒かった、きつかった。つらかった。
この日、僕は、たった15km走っただけなのだけれど、それでも心が折れそうになったほど。
北国の人たちからは、「2℃で寒いなんて、甘過ぎ!」と言われるだろう。
でも、東京ではかなり低い気温と言えるし、僕は寒さに弱い体質なので、厳寒と言える。
ちゃんと走りきった自分を褒めたい。有森裕子さんにも褒めて欲しい。(そんな凄くないだろw)