ついに創刊30周年、か。
表紙は、ちょっと「このミス」っぽくないなぁ…と思ったのだけれど、それもその筈。
「このミステリーがすごい!」は、創刊以来、頑なに《イラストひと筋》の表紙だったから、このような形で、大きく写真が掲載*1されるのは、「このミス」史上初、という事件になるのだ。
僕は、最近のタレント事情に疎く、表紙写真の女性が誰なのかよくわからなかったのだけれど、ページをめくるとすぐに判明。
彼女のスペシャルインタビューが掲載されており、そこには、「乃木坂46 高山一実」と記されている。
僕は、恥ずかしながら、今回初めてその名を知った(汗)
インタビューのタイトルは、「私とミステリー」。
どうやら、マニアの間では、読書家として知られ、自身で小説まで書いているタレントのようだ。
ついこの間、長編小説も刊行されている。
小説の内容についてはよく知らないけれど、長編小説を書ける、ということだけで凄いし、amazonでの読者レビューも高評価。
最近のアイドルは、幅が広いんだなぁ…。オジさんびっくりだよw
ということで、いきなり、「このミス」っぽくない企画で始まっているのだけれど、それ以降のページは、同誌ならではの魅力に溢れている。
通常の年間ベストテン企画、作家たちの新作情報などに加えて、30周年ならではの特別企画が満載だ。
キング・オブ・キングスとして、昭和63年~平成29年の30年間の歴代1位を決める企画や、平成デビュー作家たち(有栖川有栖、桜庭一樹、深町秋生、天祢涼)による座談会があり、読み応え十分。
さらに、特別付録として、素晴らしいものが挟み込まれている。
昨年の2018年版では…。
誕生号がまるごと収録されていて、凄いなぁと思ったのだけれど、今回もそれに勝るとも劣らぬ特別付録。
この30年間の歴代ベストテンを、一覧にまとめた冊子である。
僕は、創刊以来、全ての号を持っている*2から、ランキングはわかっているのだけれど、一連の作品を簡単に俯瞰できるのは実に便利だ。
一覧には、単なるランキングの表示だけではなく…。
作品の文庫化などに伴う「最新刊行年」「最新版版元」情報や、「品切重版未定」「電子書籍(の有無)」も掲載されており、資料的価値が高い。
何しろ30年前からの作品が並んでいるため、古い年度のものは、品切、重版未定となっていたりするのだけれど、電子書籍では《有》となっていたりして、時代の流れを感じる。
僕は、リストを眺めながら、あらためて思った。
今年は…いや、今年こそ、これらのベスト作品たちを制覇したいなぁ、と。
今、この時は、例年にも増してつらい生活を送っているけれど、それが落ち着いたら、何とか。
創刊30年分、31冊の「このミス」は、まさに壮観で、僕の永遠の宝物。
それらの書評を読み返しながら、未読の傑作たちを読むことができる、というのは、考えただけでもワクワクする。
2019年版の付録小冊子をチェックリストにして、ひとつひとつ、じっくりと読み進めていこう。