先週。とある朝の話。
僕は、いつものようにT-falのケトルでお湯を沸かそうとしたら、途中でスイッチが「カチッ」と落ちた。
まだ全然沸いていないのに。
不思議に思って、再度スイッチを入れても、ほどなくするとまたすぐオフに。
何度か繰り返すとようやく沸騰したのだけれど、こんなことは今までなかったので驚いた。
その日は、たまたまのトラブルだろうと思って自分を納得させたが、話はこれで終わらなかった。
翌朝も、さらに次の朝も同じような状態になったからだ。
いったいこれはどういうことなのかと思って調べてみると、どうやら、故障の可能性が高いことが発覚。
僕のT-falは、もう5年も使い込んでいたため、「寿命」という結論が妥当のようだった。
数回のスイッチオンオフを繰り返せば、何とかお湯は沸かせるものの、毎日そんな面倒をかけていられないし、いずれ完全に使えなくなることは確実。
ということで、僕はすぐに対応策を検討することにした。
僕が使っていたモデルは廃番になっていたようだけれど、同系列のものはすぐに見つかった。
amazonで4,000円程度。
また5年近く使うことを考えれば、高くない。
無難にこれをポチろうかとした直前、ハタと思いついたことがあった。
電源トラブルだ。
T-falの消費電力は約1,250W。
家電の中では、極めて高い部類に入る。
僕の家では、電子レンジやオーブントースターと同じブロックで電源をとっているため、同時に使うとブレーカーが落ちる。
それだけならばまだいいが、同じ電源ブロックにPCが繋がっているのが最悪。
そのブロックのブレーカーが飛び、作成中の記事などが飛んでしまった…という悲劇を、僕は何度も味わった。
PCを再起動しても、Wi-Fi接続などがすぐに復活せず、面倒な思いをした悪夢が甦る。
もちろんこれは自業自得。
お湯を沸かす時には、電子レンジやオーブントースターを使わなければいいだけの話で、電源が飛ぶのは僕の不注意に過ぎない。
それはわかっている。
ただ、朝の忙しい時間などには、ついそれを忘れてしまって、電源を飛ばしてしまうのだ。
だから僕は、ここでふと考えた。
僕がお湯を使うシーンは決まっていて、毎日会社に持っていくコーヒー用に約500 ml、
そしてルイボスティーの煮出し用に約1 L。
1日にお湯を沸かすのはせいぜい1~2回だ。
そう考えると、T-falほどの高出力は必要ない。
「だったらもう、やかんでもいいんじゃないか」と思い始めたのである。
ということで、色々調べて僕が選んだのはこれ。
和平フレイズのステンレス笛吹きやかん「RB-1267」だ。
価格は1,000円程度とお手軽だし、シルバーの質感が意外に良くて、安っぽく見えない。
ハンドルもそれほど熱くならずに、素手で持てる範囲。
最初、蓋が少し堅ったのだけれど、数回使ううちに馴染んできた。
なにより、ブレーカーが落ちる心配がないのが嬉しい。
お湯を沸かす時間は、T-falよりかかるようになってしまったが、それでも数分程度で沸く。
沸いたときに鳴る笛の音も素朴で、こんな「アナログ通知」も悪くないなぁと思った。
唯一のネックは、やかんに目盛りがないこと。
前述の通り、僕が必要としているお湯の量は、500 mlと1 L。
最初はこれがうまく量れずに苦労した。
ネット上などのハックによれば、ヤカンの外側に耐熱シールを貼って目安にするという手もあったが、なんだかちょっと面倒臭かったし、正確性にも疑問を感じた。
そんなさなか、僕はふとこんなことを思いつく。
……あれ? T-falで量ればいいんじゃない?
僕の持っているT-falには、もともと500 mlと1 Lのラインが正確についている。
壊れてしまったT-falを「計量ポット」として再雇用する作戦だ。
お湯はもう沸かせないけれど、水量を量るには完璧。
ということで、これを実践してみたら意外にも快適だった。
毎朝、コーヒー用に500 ml、ルイボスティー用に1 L。
T-falで量って、やかんに注ぐだけ。
たったそれだけの作業なのに、驚くほどスムーズに回る。
取っ手付きで持ちやすいし、注ぎ口も細くて狙いやすい。
むしろ普通の計量カップより便利かもしれない。
わざわざ何百円も出して専用カップを買うより、長年使ってきたT-falを再利用する方が合理的だし、ちょっとした愛着もある。
そう思うと、なんだかいいサイクルができた気がする。
結論。
僕的には、T-falからやかんへの「回帰」は大正解。
ブレーカーを気にせず、心豊かにお湯を沸かせるようになった。
T-falが「お湯を沸かさない計量ツール」として、第二の人生を歩んでくれるのも、なんだか素敵じゃないか。
やかんから笛の音が鳴ると、「今日も1日が始まるな」と思う。
そんなちょっとしたアナログ感が、最近は心地いい。



