今年の北海道マラソンで。
僕のiPhone SEは、大きなダメージを受けてしまった。
全ては僕の自業自得であるため、何の言い訳もできないのだけれど、僕のやるべきことは決まっていた。一刻も早く、修理を行うことだ。
ということで、レース翌日。
僕は当初の予定を大幅に変更し、早々に帰京することに決めた。
ランチで立ち寄った「SAPPORO餃子製造所」の余韻に浸る間もなく、新千歳空港へと急いだのだ。
僕は今回、JALの特典航空券で、羽田行きのチケットを確保していた。
このチケットは、「当日の空港で、早い時間の便へ振替が可能」*1であるため、今回、僕はそれを行使。
当初の予定よりも5時間以上早いフライトを確保し、修理業者の店舗へ直行することにした。
もちろん、Apple Storeの店舗に行くのが最も正しい選択だということはわかっている。
僕にとって、とても大事なiPhone SE。なくてはならない端末。「万が一」の事故を避けるため、正規な修理を行うべきだ。
しかし…。僕はその選択を諦めた。
僕のiPhone SEは、Apple care +の延長期間も終わっているため、水没・浸水で筐体交換すると、数万かかってしまう。
しかも、当日の予約や対応が、おそらく無理なので、回復までに時間がかかるのも難点。
だから、ある程度のリスクがあるのは承知の上で、非正規の業者に依頼することにしたのだ。
ただ、そうは言っても、できるだけ安心できる業者を選びたい。
Webで調べると、iPhoneの修理業者は山ほど出てきたが、口コミでは、《毀誉褒貶》が混在していて悩ましかった。
ただ、その中で、ひとつ、やや割高ながらも、安心できそうな業者を発見。僕はそこに駆け込むことにした。
その店は、Webで当日夕方の予約も可能であり、しかも、「即修理」が売りだったので、すぐに解決するのも魅力だった。
ということで、東京に着くや否や、僕は、その店に立ち寄って、係員に事情を伝達。
さぁ、これで解決!と思いきや、店員から衝撃的な回答が返ってきた。
「この状態ですと…。当店では修理できない可能性があります。」
というのだ。
えっ?それはいったいどういうことですか?と、僕が問うと、店員はこう続けた。
「液晶画面の交換で済めばいいのですが、内部の基板にまで浸水している場合、水没扱いになります。そうなりますと、当店での修理はできかねます。」
ならばいったいどうすればいいのかと、困り顔の僕に、店員は告げた。
「Apple Storeで端末を交換されるか、機種変更などをしていただくしかないと思います。」
重ねて、基盤損傷の場合は、他の修理店に行っても対応困難だろうという回答もあった。
…愕然。
ただ、僕は、店員の回答に一縷の望みを繋いで、こう尋ねた。
「液晶交換の対応で、解決する場合もあるのですか?」
すると、店員からこのような答えが返ってきた。
「それは…開けて確認してみないとわかりません。」
確かにそれは、もっともな話だ。続けて曰く…。
「筐体を開いたことにより、浸水が進む可能性もあります。また、データが飛んでしまうことも考えられます。バックアップはとられていますか?」
僕は、最近あまりバックアップをとっていなかったことを告げると、店員は、まず、その対応が最優先だと言うことを僕に告げた。
たとえ現状のダメージが液晶のシミだけであったとしても、そのまま使い続けると、基盤部分へ浸透し、バックアップもとれなくなってしまうとの旨。
さらに店員は、このようなアドバイスもしてくれた。
いざバックアップを行うと、筐体が熱くなるため、状況が悪化する可能性が高い。
そのため、いったん試してみた方がいいことがある、というのだ。
それは…。
「食品乾燥剤や米粒などでくるんで、最低1日は、密封させてみてください。」
と言うのだ。
その処理により、本体に入り込んでいる水分が抜ける可能性もゼロではないらしい。
できれば、浸水直後に行うのがベストだったが、1日経っていても、ダメもとで試してみる価値はある、と。
僕はもう、藁にも縋りたい気分だったので、素直に、店員のアドバイスに従ってみることにした。
僕は、無償でアドバイスしてくれた店員に感謝しつつ、その作戦を行うことに決めた。
乾燥剤としては、食品などに入っているものが流用できるとのことだったが、どうせなら、しっかりとした対応したかったので…。
量販店で、乾燥用のシリカゲルを購入。
それで、iPhoneを来るんで密封した。
最初は、こんな感じで包んでいたのだけれど、どうせなら、徹底的に乾燥させた方がいいのではないかと思い…。
両面をシリカゲルだらけにして包んだw
これで本当に、内面に入り込んだ水分が抜けるのだろうか…?と、僕はかなり疑問に思ったのだけれど、あとはもう、祈るしかなかった。
Webで検索してみたところ、浸水直後であれば、この方法はかなり有効で、しかも、寝かせる時間が長ければ長いほど効果的ということが判明。
僕の場合、浸水後もしばらく使い続けてしまったので、そのぶん状況は厳しいが、同様の事例でも、解決例が見つかったのは、非常に心強かった。
ということで…。
僕は、グッと我慢に我慢を重ねた。その後、丸4日以上寝かせ続けたのだ。
iPhoneのない生活はとても不便だったけれど、その間は、BlackBerryが頑張ってくれた。
メイン機として使うことで、BBのプラスマイナスもよくわかったので、無駄ではなかったと思う。
そして迎えた金曜日の夜。
寝かせ続けていた期間は、100時間を超えた。
バックアップをとるにも、修理を依頼するにも、週末の時間が必要だったから、僕は、ここでようやくiPhoneの封印を解くことにした。
僕は、天に祈る気持ちで、ジップロックからiPhoneを取り出し、電源ボタンを押した。