WWDC19(Appleの開発者向けイベント)直後。
僕は、鳴り物入りで発表されたiPadOSについて、こう書いた。
ひとつ残念なのは、マウスへの対応が謳われなかったこと。専用の新OSになったことで、マウス機能搭載の夢も、いずれ叶いそうな気がしている。
…この時の僕は、まだよくわかっていなかった。
だから、「いずれ叶いそう」と書いたのだけれど、それは大きな誤解だった。
iPad OSでは、最初からマウスに対応していることがわかったからだ。
その情報を伝えてくれたのは、このツイート。
Hello mouse support on iOS 13! It’s an AssistiveTouch feature, and works with USB mice. @viticci nailed this pic.twitter.com/nj6xGAKSg0
— Steve Troughton-Smith (@stroughtonsmith) June 3, 2019
これは、iOSの開発者であるSteve-Troughton Smith氏のもの。
イベント終了後、開発者向けに配布されたと思われるiOS 13版で、実際に、iPadをマウス操作している動画を掲載しているのだ。
この動画は、既に33万回以上も再生されており、世界中で大きな注目を集めている。
iOS13で動作するのであれば、当然、iPadOSにも対応する筈。
僕は、iPadでのマウス対応を夢見ていたので、もちろん嬉しかった。
が、情報を追っているうちに、色々と気になる点がでてきたので、それを書き残しておきたい。
- なぜWWDC19で発表されなかったのか?
- アクセシビリティに搭載した理由は?
- USBマウスだけ?Bluetoothマウスは不可?
- カーソルの形は変えられる?
- トラックポイントは使える?
- バージョンアップに期待!
なぜWWDC19で発表されなかったのか?
今回のWWDC19で、サプライズ発表されたiPadOS。
iOSと袂を分かち、「iPad専用の」OSが誕生するということで、大いに話題となった。
だから、それに合わせて、iPadでのマウス対応が発表されていれば、一層注目を浴びていたことは間違いない。
マウス対応は、誰もが待ち望んでいた(筈の)機能だからだ。
しかし、イベントでの言及は全くなされなかった。
アクセシビリティに搭載した理由は?
今回のマウス対応は、iPadに搭載されているアクセシビリティ(障がいのある方々もデバイスを使いやすくする補助機能)機能のひとつとして提供される。
その中で、Asssitive Touch(ホームボタンと電源ボタンを画面タッチで操作したり、複雑な操作をショートカットに置き換えたりする機能)の一環として搭載。
だから、Appleにとっては、あくまで《補助機能》なのだ。
Appleにとっては、「通常使用においては不要」と捉えている(だからWWDC19で言及しなかった)ことになるのだろうか?
USBマウスだけ?Bluetoothマウスは不可?
前述のツイートでは「USBマウスに対応」とだけ書かれているので、僕は最初《有線接続の》マウスのみにしか対応しないのかと思った。
となると、USBポートに繋げるマウスしか使えないし、色々と制約が出てくる。
ただ、このツイートには、「It also works with a Magic Trackpad」と追記されていることから希望が出てきた。
Magic TrackpadはBluetooth接続のガジェットだからだ。
その後、このツイートに対するコメントや、他開発者の関連ツイートを読み、どうやら、Bluetoothマウスについても、対応することが明白になった。
カーソルの形は変えられる?
動画を見ていて気になったのは、マウスカーソルの形状。
円形で、そのサイズも大きめとなっており、やたら目立つ。
ただこれは、他のAssitive Touch入力と同様で《指のタッチをシミュレートしている》ということのようだ。
Appleにとっては、あくまでタッチ操作の補助機能であることから、そういうことになっているのかもしれないが、マウスカーソルとして使うことを考えると、ちょっと使いにくい。
これは変更できないのだろうか?
この点については、まだよくわからない。変更できるといいのだけれど。
トラックポイントは使える?
マウス《機能》が使えるならば…。僕は大いに期待したいことがある。
このThinkPad Bluetoothキーボードが使えるのか、どうか、だ。
現状でも《キーボードとしては》iPadと接続可能で、僕は便利にこれを利用している。
こんな感じで快適。
ただ…。ひとつだけ気になっているのが、キーボード中央に鎮座している《トラックポイント》を使えないことだった。
これは、ThinkPadファンなら誰でも知っているポインティングデバイス。通称「赤ポッチ」と呼ばれ、マウス代わりになるものだ。
これまでのiPadは、マウス非対応であるがゆえ、当然、この赤ポッチも使えなかった。
しかし、iPadがマウスに対応するなら、これも使えるようになるのだろうか?
Bluetoothで《キーボード機能》と《マウス機能》を両方認識させる必要があるし、トラックポイント独自の機能設定などもあるため、対応できるのかどうか、微妙な気もする。
バージョンアップに期待!
…と、ここまで色々書いてきたが、僕は期待をしている。
現状は、あくまでアクセシビリティ内での擬似的なマウス対応ではあるが、iPadにとって《大きな第一歩》であることは間違いない。
しかも、今はまだ、開発者向けのテスト版OSで確認を行っている段階。
今後、反響の大きさを踏まえて、バージョンアップする可能性もあるし、正式対応される可能性だって、ゼロではないと思う。
iPadOSの登場を楽しみに待ちたい。