昨日、iPad miniの最新モデルが、突然ひっそりと発表された。
Apple Storeオンラインでは、早速予約受付が始まっており、発売は10月23日とのこと。
iPad miniとしては、実に3年ぶりの新モデルとなるため、鳴り物入りで発表されてもよさそうなものだ。
そもそも、このタイミングで発表できるなら、先月のApple新製品発表イベントに含まれていても、全くおかしくなかった。
しかし、そうならなかったのには、大きな理由がある。
Appleが好んで使うキャッチコピーをもじって表現すれば、今回のiPad miniは、「全く新しくない」からだ。
いかにAppleのプレゼン錬金術が優れていても、今回のiPad miniを派手に宣伝するのは難しいだろう。
それぐらい、あまりに地味な最新モデルだった。
前回、3年前のモデルチェンジ(第5世代→第6世代)は大胆で斬新。
ホームボタンを廃し、オールスクリーンへの変更、画面サイズアップ、USB-Cポートへの変更、CPU性能も、カメラ性能も大幅アップして、完全に生まれ変わった。
だから僕は、すぐに飛びついてゲットしたのだ。
その筐体は実に魅力的で、今でも大切に使っている。
それに比べて今回は…。
前回の大胆なモデルチェンジに比べると、代わり映えのなさが際立つ。
第7世代と言わず、チップ名を付与して(A17 Pro)モデルなどと名乗っているが、刷新感があるのはネーミングだけ。
逆に言うと、最新チップであることぐらいしか「変化がない」と言えるのだ。
筐体は完全に使い回しだし、カメラ性能もバッテリ性能も進化ゼロ。
Appleの生成AI機能「Apple Intelligence」にも対応いるのが大きなウリだが、日本での対応は来年以降ということで、今から飛びつく必要もない気がする。
要は、従来の筐体に最新のチップを搭載しただけの、超マイナーチェンジモデルということ。
折角3年ぶりの最新モデルだというのに、手抜きすぎなんじゃないか?と思えるが、だからこそ、こんなにひっそり発表されたのだろうと邪推。
そういった、セールスポイントに乏しい状況だからか、各マスメディアでの紹介も控えめで、ガジェット系YouTuberたちも、あまりとりあげていないようだ。
今回、注目すべきは価格面。
現行の第6世代は、64GBモデルでも84,800円する。
それに対して最新のiPad miniは、64GBがなくなり、128GBモデルが最小ストレージとなるが、それでも78,800円。
ストレージ容量が倍になったのに、価格は6,000円も安いので、大幅値下げ!だと伝えるメディアも見かけた。
しかし、ちょっと待ってくれ。それはあまりに近視眼的な情報だ。
現行第6世代の64GBモデルは、2021年の発売当時、59,800円だった。
しかし、値上げに次ぐ値上げで、発売時に比べて25,000円も高くなって、84,800円になっているのだ。
そんな異常高騰価格と比較して、大幅値下げだと伝えるのは、どうにも違和感を覚えてしまう。
現行モデルの値上げは、昨今の超円安状況を考えると仕方ないといえるし、そう考えると、今回は頑張ったと言えるのかも知れない。
現行第6世代よりも僅かながら買いやすくなり、性能は上がっているので、第5世代までのiPad miniを持っている人や、iPad miniを未購入の人にとってはお勧め。
ただ、既に2021年モデルを持っている人にとっては、よほど最新の性能を求めているのでなければ、買い換えは無用だと思う。
新モデルの筐体は、第6世代と全く同じだから、ケースやガラスフィルムを流用できるのはメリットかもw