時を遡ること1週間前。
早川書房公式のTwitterアカウントから、緊急アナウンスが発信された。
【速報】
— 早川書房公式 (@Hayakawashobo) December 18, 2018
SFマガジン次号、予約在庫全滅という異例中の異例に対応するため、緊急の発売前重版を行います。
創刊から59年のSFマガジンに、百合による新たな歴史が刻まれました。
12/25発売◇2018年に花束を。SFマガジン「百合特集」内容紹介|Hayakawa Books & Magazines(β)https://t.co/PVNxoFLsE0
今月25日発売の「SFマガジン」に事前予約が殺到。
なんと、異例の発売前重版が決定したというのである。
雑誌という媒体は、基本的に、次号発売までの《売り切り》というスタイルで流通するため、重版がかかることは非常に稀。
しかも、それが発売前に決まるというのは、まさに異例中の異例という事態である。
いやはや、百合人気恐るべし、だ。
「百合特集」巻頭に添えられた、SFマガジン誌の説明によれば、「百合」とは…。
女性同士の関係性を扱う、創作ジャンル
とのこと。
なんとも微妙な言い回しであるが、まぁ、大人にとっては、《言わずもがな》のことだと思うので、このブログでも、説明はそのあたりにとどめておこう。
「百合」と言えば、「百合」なのだ。
同誌の説明は、以下のように続いている。
奇しくも、百合をテーマとしたオールタイムベストSF作品の伊藤計劃『ハーモニー』がハヤカワSFシリーズJコレクションから刊行されたのが、2008年12月25日。
本誌今月号の発売日は、ちょうど10年にあたります。
なるほど、そういうことだったのか。
今号のSFマガジンは、その表紙デザインを、「ハーモニー」と同じシライシユウコ氏が担当。
百合SFの金字塔(?)である同作品を彷彿させるものとなっている。
僕は、「百合」世界とは無縁のオッサンだし、その世界に興味もないのだけれど、《SF》となれば別。
僕は、かれこれ数十年来のSFファンだからである。
SFマガジンは、毎号、発売直後に入手し続けてきたので、今号も、もちろんすぐにゲットする予定だった。
発売前重版決定と言っても、発売日に大手書店に行けば、簡単に入手できるだろうと、僕はタカをくくっていた。
…が、昨日の始業前、iPhoneでamazonのWebサイトを眺めて愕然。
SFマガジン 2019年 02 月号
なんと、1ヶ月待ち!
になっているではないか。
予約在庫完売ということだから、重版ができるまで、ある程度時間がかかるものとは思っていたが、まさかこれほどかかるとは。
amazonの調達力をもってして、この状況となると、書店にも事前予約が殺到している筈。
たとえ発売日であっても、店頭陳列より前に、売り切れてしまうことがあり得る。
僕は大いに焦った。
前述の通り、僕は、子どもの頃からのSFファン。
最近、SF小説を読む機会はめっきり減ってしまったが、SFマガジンは買い続けている。1ヶ月なんて待てるものか。
ということで、都内大手書店の開店時間になるや否や、電話で在庫を確認、取り置き予約。
店員の話によれば、確かに、予約が殺到しているらしかったが、流石は大手書店。何とか確保してもらうことができた。
ということで、昨日の勤務終了後に、書店に寄って…。
ゲット!
百合特集は、100ページにも及ぶ渾身のもの。
僕はどうにも興味を惹かれないのだけれど、何しろ、これだけ人気なのだから、やっぱり読んでおかねばならないだろうなぁ…。
オールドSFファン的(?)興味としては、2018年の主要SF賞情報が掲載されていることも見逃せない。
すっかり百合特集の影に隠れてしまったが、〈ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〉作品や受賞作リストなどが掲載されており、これは必読だと思っている。
最近の僕は、《SF読む読む詐欺》状態で、なかなか読む機会がとれないのだけれど、今回は、特別。
過去、「SFマガジン」が重版となったのは、2011年の初音ミク特集以来、史上2回目とのこと。
今年で創刊59周年(!)であり、731号もの歴史となる雑誌において、たった2回しかない、超絶的な快挙なのだ。
それを達成させたのは、「百合」と「初音ミク」だけ。
いやはや、何とも凄いことではないか。
マニアの力(?)というのは、かくも凄いということを、僕は心から思い知った。
ヒロインたち(?)の競演w
発売前に重版がかかるほどの貴重な号を、早々にゲットしたのだから、人気の秘訣を知るためにも、しっかり読み込んでおかなければ。
そう言えば、前回の初音ミク特集号も、まだ読んでいなかったので(汗)、これを機会に、あわせて読んでみることにしたい。