ここ数年、コロナ禍の影響で、寂しいGW(Gyoza Week)が続いていたけれど、今年は、久しぶりに活気が復活した。
餃子好きにとっては、天国のような状況が戻ってきたのだ。
ならば、天国に行ってみよう!
…ということで(ちょっと無理矢理w)僕は、長年の課題店だった立川「餃子天国」を訪れた。
年季が入ったマンションの1F。
さながらスナックの看板のような感じで、その店はさりげなく存在している。
「餃子天国」は、ここ立川の地において1971年に創業し、このマンションに移ってからも、もう25年が経過している超老舗なのだ。
数年前。
映画「ボヘミアン・ラプソティ」のロードショー期間中、立僕は、毎週のように立川を訪れていた。
立川シネマシティでの、スタンディングライブ上映に参加するためだ。
立川は、餃子好きの聖地でもあるから、映画鑑賞の後に、さまざまな餃子店も行ったが、この「餃子天国」は未訪問だった。
正確に言うと、「りん屋 はなれ」を訪れた後、ふらりと立ち寄ってはいるのだけれど、餃子のサイズが巨大なので、とても1人前(5個)を食べられる余裕がなく、断念。
その後も、行こう行こうとは思っていたが、どうせ行くなら、大人数で、多種類の餃子を食べたいと思い、今年に至ってしまっていた。
しかし、ようやく今年のGWに念願が叶った。同行してくれた餃子仲間に感謝、だ。
天国の入口は、昭和にタイムスリップした事務所のような趣があった。
しかし、ひとたび扉をくぐれば、ごく普通の居酒屋内装で、かなり賑わっていた。
店の奥には座敷席があり、僕らはここを予約していた。
この店の大きな特徴は、そのメニュー構成。
酒類は多種多彩。
一番搾りとエビス黒生のハーフ&ハーフなんてものまであるが…。
料理メニューは、ほぼ餃子一色。
餃子以外の料理は、お新香と冷やしトマトしかない。デザートのアイスクリームを含めても、3種類しかないのだ。
しかし、それで50周年以上続いているのだから、いかにこの店の餃子が、特別で美味しいということの証明だろう。
メニューに関しては、去年の10月、非常に大きな改定が行われている。
それまでは、5個単位でしか注文できず、しかも、「注文は最初の1回のみ。原則追加は禁止。」という非常に厳しい制限があったため、実にハードルが高かった。
その制限が、何と突然なくなった。
最初にいくつか注文してみて、腹具合に応じて追加注文ができるようになったのだ。
さらに、それまでは1皿5個単位しかなかったのだが、3個単位で注文ができるようになった。
1個1個が巨大な餃子だけに、この変更は非常に大きい。
これならば、ひとりでふらっと訪れても、なんとか完食することができそうだ。
ただ、今回僕らは5人で訪れたため、最高のシチュエーションで餃子を味わうことができた。
まずは、何はともあれ、乾杯。
乾杯のジョッキは4つしかないが、このあとほどなくして5人揃ったので、あらためて乾杯している(^^;
この店の餃子は、注文を受けてから手包みして作られるため、提供されるまでは多少時間がかかる。
だからまず僕らは、オーソドックスな「ポーク」と、数量限定の「カニ」、そして「海老」などを注文した。
それから15分程度、積もる話に花を咲かせていると…。
巨大餃子(ポーク)がやってきた!
「餃子の長さ」だけなら、もっと大きな店はいくらでもあるが、この店の餃子が凄いのは、その厚み。
実にぷっくりとしており、その中には、溢れんばかりの具が詰まっているのだ。
具がものすごいボリュームなのに、皮が薄いのも特徴で、だから、箸で持つとすぐに剥がれてしまう。
こんな感じw
頼りない薄皮の内側には、肉の塊がたっぷりと詰め込まれており、ハンバーグかこれは?と思ってしまうほど。
この店の餃子は、皆、豚挽肉がたっぷりと詰まっているから、「ポーク」に関しては、まさに、豚挽肉一色となる。
そりゃぁ、ハンバーグみたいに感じるわけだ。
具があまりに濃密すぎるため、これで皮が分厚かったら、とても個数は食べられない。
だから、この皮の薄さは、緻密な計算に基づくものだと思う。
この店の餃子は、肉塊を中心とした具を、思う存分味わうものなのだ、きっと。
その後も、巨大餃子は続々登場。
外見は全く区別がつかないが、囓ってみると、大きな違いはすぐわかる。
それぞれのメイン具材がハンパなく入っているからだ。
カニ肉は、豚肉に負けじとたっぷり詰め込まれていたし…。
海老も、豚挽肉の塊の間に、ゴロゴロと埋まっていた。(この写真ではちょっとわかりにくいけれど…。)
皮のインパクトが薄い分、メインの具を包み込む豚肉の印象が常に残る。
いやはや、これは凄い餃子だ。
僕らは、この他に「やさい」や「ほたて」を注文したが、どんな具の餃子を注文しても、豚肉の塊がそれらを包みこんでいるため、必然的にお腹にたまる。
ということで…。
このトマトが旨かったことといったら!
「箸休め」という美しい日本語は、こういう時のために使うのだ、きっとw
どんな具材の餃子も非常に美味しかったのだが、会の後半、僕らはちょっとしたジレンマに陥る。
折角餃子専門店を訪れたのだから、できるだけ多くの種類の餃子を食べたい。
しかし1個1個のボリュームが巨大なので、食べきれるかどうかという不安が生じるのだ。
僕らは5人で訪れたため、原則、1皿食べる毎に、1人分の割当は1個。
後半になると、「食べたいけど、1個はちょっと…。」という雰囲気になってきたので、悩ましかった。
「種類は食べたい。でも、1個はきつい…」という問題を解決する、画期的な解決策を、僕らは発見した。
この店の餃子は、半分量でも他の店の1個分を凌駕している。
皮はどうせすぐ剥がれるので、見た目もあんまり問題ない。
ならば、1皿3個を注文して、それを2つに切れば6個になるので、それを5人で分ければいいじゃないか!
余った1個は、その具を特に気に入った人が食べれば解決。
1皿5個に比べて、3個はちょっと割高になるのだけれど、残ってしまうよりは断然良い。
ということで…。
ニンニクとチーズを注文。
ニンニクは、スライスされたものが、これでもかというぐらいに入りまくっていて、強烈。
僕は、ニンニク好きなのでたまらなかった。
チーズもこれまたインパクト抜群。
豚肉餡との相性はもちろん申し分なく、これもまた最高に美味しい。
僕は、どちらも追加注文したくなってしまったほどw
この2つは、前半に注文して、1個食べた方がよかったかもしれないなぁ…。
結論。
この店の餃子を攻略するには、注文時に、戦略を持って訪れる必要がある。
また、人数が多ければ多いほど、注文方法に融通が利くので、多人数での訪問(できれば5の倍数人数)が吉だ。
10人…いや15人ぐらいで訪れて、肉塊餃子を食べまくりたい。