高円寺は、商店街のパラダイスだ。
駅を降りれば、右も左も商店街。北も南も商店街。なんと、大小14もの商店街があるというのだから驚くばかり。
どの商店街にも特色があり、いつ訪れても飽きない。
僕は商店街が大好きなので、この街を訪れるたびにワクワクする。
そんな商店街のひとつ、高円寺庚申通り商店街の奥に、ひっそりとその店は存在していた。
店の名は「168(いろは)厨房」。
去年10月にオープンしたばかりの新店だ。
この店の売りは、「薬膳家庭料理」ということで、看板メニューは薬膳カレー。
いやぁ、これは確かに身体に良さそうだ。
168粥や薬膳にゅうめんも、薬膳要素がたっぷり。
今の時代、今の時期…身体に免疫力をつけることはとても重要。その点、薬膳料理は大きな効果がある。
僕はこれらの料理に惹かれたものの、何はともあれ…。
ビールを注文。
免疫力をアップさせるためには、百薬の長の手助けも必要だw。
しらすと黒米を炒めたような小品がついてきて、これはこれで美味しかったが、もちろん、別途にアテがいる。
手軽なおつまみはいろいろ用意されていたが、単なる居酒屋のつまみ的なものが並んでいたので、それではちょっと面白くない。
僕は、《今日のきまま一品料理》というのが気になったので、ママさんに尋ねてみると、サワラと野菜を使った料理ができると言う。
サワラは大好きなので、僕はそれを注文することにした。
ママさんに、「ニンニクは好きですか?」と聞かれたので、「たっぷり入れてください」と答えた。
一品料理は楽しみだったが、その前に、まず、ビールのアテがいる。
ということで…。
薬膳サラダを注文。
金針菜、松の実、クコの実など、薬膳要素がたっぷりで、キャベツ、パクチー、胡瓜なども入った、実に食べ応えのあるものだった。
とりわけ、金針菜(写真左側)は貴重な食材で、鉄分がほうれん草の20倍!もあるとのこと。
僕は、慢性的に貧血気味で鉄分不足だから、非常にありがたかった。
薬膳サラダ…などというと、身体には良くても味は…?と思う人もいるかもしれないが、いやいや、これが実に美味しいのだ。
それぞれの野菜が、絶妙なバランスで配備されていて、味つけも食感も、実に独創的。
家ではなかなか作れないサラダだと思うので、それだけでも注文した価値があると思った。
そうこうしているうちに、メイン料理が登場。
いやぁ、もう、これは見るからに美味しそうではないか。
僕は、この時点で、瓶ビールを飲み終えてしまっていたため、追加せずにはいられなかった。
お供には、生ビールをチョイス。
さぁ、堪能する準備は万全だ。
僕は、大いに期待値を上げて食べ始めたが、それは、そのハードルを超える美味しさだった。
レンコン、ゴボウなど、僕の大好きな根菜類が中心で、ニンニクもばっちり。
肉厚のサワラもたっぷり入っており、濃いめの味つけが、ビールに最高に合う。
流石は、ママさんオススメの料理だ!と感服しながら僕はこれを完食し、お腹が満たされ…僕はハタと気がついた。
まだ、餃子を食べてないぞw
もともとは、餃子が目的で訪れた店だったのに、なんたる不覚。
僕にとって、餃子は別腹なので、この後に注文することも可能だったのだけれど、僕はそれを断念した。
この日、時刻は19時を過ぎており、ビールの追加注文ができなかったからである。
ビールのない餃子なんて、クリープを入れないコーヒーのようなものだ。(たとえが古すぎw)
他に誰も客のいない店で、ひとりビールを飲むだけなのに、いったい何がいけないのか、僕にはよくわからないのだけれど、今はグッと我慢の時期。仕方ない。
ということで、その翌日に再訪して追加取材を試みた。
注文したのは、薬膳焼き餃子。
水餃子も気になったのだけれど、ママさんによると、焼餃子と具は一緒でスープタイプのものだという。
ならば、まずはやっぱり焼き餃子だ。
前日同様、薬膳サラダを注文し、それで繋ぎながら、主役が来るのを待っていると…。
薬膳焼き餃子、登場!
その焼き色は、実に美しく、ぷっくりと身が詰まったフォルムも魅力的。
いやぁ、再訪して良かった。…と、この時点で僕は確信した。
もちろん、そのお供にはビール。完璧だ。
その具は、オーソドックスな肉餃子だった。
ママさんによると、具材のメインは豚肉、白菜とニラで、隠し味として薬膳要素を加えたとのこと。
思ったほど、薬膳的な風味は強くなくて、普通に美味しい餃子だった。
ただ、僕はそれでいいと思った。
もともと、餃子は、全ての栄養素がバランス良く備わっている完全食。
食べるだけで免疫力がアップする料理なのだから、少しでも薬膳要素が加わるだけで、もはや無敵だ。
この日も、サワラ料理ができるとのことだったので、前日同様、ママさんのオススメ料理を注文。
一見、前日と同じような料理に見えるが、野菜の種類は若干異なり、オクラなどが入っていた。
いずれにしても、本当に美味しく、僕は、最高に満足して店を出た。
僕はまだ、この店の看板メニューである薬膳カレーを食べていないし、168粥や薬膳にゅうめんも未食。
facebookの情報によると、新メニューのビーフンもオススメだという。
餃子ランナーとしての取材(?)は、これで終わりになるが、この店はかなり気に入ったので、是非とも再訪したいと思っている。