餃子という料理は、通常、皿や鉄鍋の上などに、整然と並べられて提供されるもの、だと思う。
しかし、その焼餃子は、異色の提供方法で、僕の眼前にあらわれた。
山盛りw
餃子が、こんな形で無造作に積み上げられて提供されたのは、僕にとって、初めての経験だったかもしれない。
ただ、僕がそのことにあまり違和感を感じなかったのは、その餃子のサイズに起因している。
とにかく、この餃子は、とても小さかったからである。
iPhone SEと比較すると、こんな感じ。
僕は20個もの餃子を注文したのに、その数から受けるボリューム感とは程遠いイメージ。何だか、軽く食べきってしまいそうだ。
こんな小さな餃子では、皿に整然と並べてしまうと、ちょっと貧相な感じも受けてしまうだろうから、このような形で積み上げるという提供法は、正解なのかもしれない。
一口餃子と呼ばれるものは、関西圏や博多などで数多く見られるけれど、この点天餃子は、それらの一般的なものと、スタイルが異なる。
ひとつひとつが完全に独立しており、ちょっと揚げ焼きにも近いイメージ。そのビジュアルも、いわゆる餃子というような形ではなく、扇のような印象を受ける。
以前、持ち帰り版を食べた時は、フライパンにくっついたりして上手く焼けず、ちょっと中途半端な感じになってしまったのだけれど、やっぱりお店では綺麗に焼けるんだな、と思った(^^;
具は、こんな感じ。
野菜と肉がバランス良く入っていて、ニンニクの風味も感じられる。
悪くない。
「皮」に対して「具」の割合が圧倒的に低くて、その点においては、ちょっと残念なのだけれど、まさにそれが、「点天」餃子の特徴。
これは、きっと、まさに「皮」を味わう餃子だと思うからだ。
皮の風味とカリカリ感が、この餃子の大きな特徴で、だからこそ、これは、ご飯よりもビールに合う!
ビールの最良の友、おつまみ系の餃子ということであれば、「山盛りスタイル」での提供は、まさに、そのイメージに合っていると思う。
あぁ、マラソンレースの前日じゃなければ、ビールを飲むのになぁ…と、僕はちょっと悔しくなったが、すぐに心を切り替えた。
「皮の比率が高い」ということは、イコール、「小麦粉の割合が大きい」ということで、ならば、十分な糖質補給が期待できる。
レース前日のカーボローディングには、まさにもってこいではないか!と。
そんなことを考えていたら、もうひとつのメニューがやってきた。
「プリプリまるごと海老餃子」だ。
僕は、手羽先餃子は断固として認めない立場だが、これはあり。
いや、「あり」どころか、ある意味、王道系の餃子だと思っている。
小麦粉の皮に、しっかり具が包まれて焼かれているからだ。
外まで飛び出ている「まるごと海老」のインパクトが強烈だけれど、海鮮系の餃子と考えれば、全く問題ない。
これが餃子じゃなかったら、いったいなんなんだ?と思うほど。
その具は、単に海老が包まれているだけじゃなく…。
野菜や肉もちゃんと入っていた。
実にバランスの取れた、食べ応えのある具だった。僕は海老も大好きなので、もっと食べたいなぁと思ったが、今回は、これで止めることにした。
折角大阪にやってきたのだから、他の餃子も食べられるよう、胃に多少の余裕を残して起きたかったからだ。
この日の夜は、ちょっとした約束があり、餃子以外のものを食べる予定になっていたため、餃子ランナー的には、昼が勝負。
大阪マラソンのEXPOで受け付けを終えたら、もう1軒、別の店でも探してみよう。
ということで、僕はやおら、会場へと向かった。
(以下、続く)