2019年のアカデミー賞で、看板の《作品賞》を含む三冠。
「グリーンブック」が、ついに日本で公開開始となった。
僕は、この日をずっと楽しみにしていたため、公開初日の昨晩、勇んで鑑賞した。
そして、未だにその余韻に酔いしれている。
これぞオスカー作品賞にふさわしい、圧倒的な作品だったからだ。
誰にでもお勧めできる、まさに「名作」と言える作品なので、とにかく、見て欲しい!としか言えない。
物語の中では、さまざまな対比が、絶妙な配分でミックスされていている。
黒人と白人、品位と暴力、天才と無知、孤独と家族。
深みのあるシリアスシーンと、合間合間にちりばめられた上質のユーモア。
ラストもきっちり決まっていて、抜群の後味。
誰と見ても、一人で見ても、どんなシチュエーションでも感動できる作品だと思う。
とにかく、騙されたと思って(騙してないけど)見に行って欲しい。
以下は、例によって、簡単なあらすじと、それに沿った僕の感想をつらつらと書かせていただく。
予告編以上の情報は書かないけれど、これから見に行く人は、できればスルー推奨。
この映画は、予告編も見ずに、《無》の状態で鑑賞した方が、より感動する作品だと思うからだ。
【あらすじ&蛇足感想】
舞台は1962年のアメリカ。
オジサンのひとりは、陽気で暴力的なイタリア人。もうひとりは、深刻でインテリの天才音楽家。
黒人差別が厳しかった時代、最もそれが顕著だったアメリカ南部を旅する二人。
しかも、ボスの天才音楽家は黒人で、そのボディーガード兼運転手が白人、という設定なのだ。
物語の中では、あまりにも不当な黒人差別が蔓延。これが本当に「事実に基づく物語」なのか?と驚愕してしまうほどだ。
僕は、そんなシーンが出てくるたびに、重たく、切ない気分になった。
しかし。この映画は、それでとどまらない。
随所に挿入される音楽シーン、演奏シーンが、とにかく素晴らしいからである。
そして、その描き方も、また見事だった。
演奏後、黒人の天才音楽家に送られる万雷の拍手。
たとえ「黒人差別地域」にあっても、才能はそれを凌駕する。
ただ、それは、ほんの束の間。演奏会の時間だけなのだけれど…。
おじさん2人の関係を深めたのも、まさに音楽の力。
「ボヘミアン・ラプソディ」同様、この映画も、音楽は、人を繋ぐ大きな力となっているのである。
最初の内は、無知で粗野に見えた白人ボディーガード。
最初の内は、インテリで嫌味っぽく見えた黒人天才音楽家。
「どう考えても合わない」と思っていた、おじさん二人のコンビが、ドライブを続ける間に、「間違いなく最強」へと変わっていく。
その移り変わりが、とても自然で、僕はぐいぐい引き込まれた。
いやぁ、本当にこれは、素晴らしい映画だ。
パンフレットも、もちろん購入。
つらつらとスナップを眺めていたら、最強のおじさんたちを、もう1度見に行きたくなってきた。
超オススメ。
- アーティスト: サントラ,ジーン・オースティン,ナサニエル・シルクレット,ジェラルド・ヒューイ・ラムゼイ,ジョニー・メイ・マシューズ
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2019/02/27
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