ずっと前から楽しみにしていた映画が、遂に公開された。
「フリー・ガイ」だ。
本来は、去年の8月に上映される予定だったのだけれど、コロナ禍に伴い、延期に次ぐ延期。
先週末から、ようやく上映されることになったので、早速見に行った。
この映画の主人公は、オンライン・ゲーム「フリー・シティ」のモブ(背景)キャラで、銀行窓口係として、毎日同じことを繰り返していたガイ。
平凡に自分の役割をこなしていた彼が、『モロトフ・ガール』と呼ばれる女性キャラクターに出会ったことで、《自我》を持つ。
平凡な毎日を繰り返す自分の人生に、反逆を試みるのだ。
単なるモブキャラだった筈の男が、プログラミングにない行動を起こすのだから、さぁ大変。
オンライン・ゲームに参加していた《現実》世界のゲーマーたちを混乱に陥れる。
そんなバカな…。
と言いたくなるのだが、いやはやこれが、なんとも面白い。
とにかくむちゃくちゃな舞台設定なのだけれど、物語が進んでいくうちに、その違和感が消えていく。
《ゲーム》世界と《現実》世界が、絶妙にリンクしており、次第にその関連性が強まっていくからだ。
何より、ライアン・レイノルズが演じる、モブキャラ「ガイ」の変貌が素晴らしい。
ゲームの中では、壮絶なバトルが繰り広げられるにも関わらず、徹底的に『明るくていい人』を演じつつ、ヒーローにのし上がっていく。
ネタバレになるので、詳しい案内は控えるけれど、壮大なアクションあり、コメディあり、そしてラブ・ロマンスでもある。
一粒でさまざまな味が楽しめる、後味のいい甘ーいお菓子のような映画だ。
僕はオンライン・ゲームを全くやらないのだが、それでもこんなに楽しいのだから、ゲーム好きにはたまらない映画だと思う。
鑑賞後、僕はすっかり癒やされて、「ガイ」の虜になってしまった。
現実世界に疲れた貴兄、貴女におススメ。
【蛇足】
とっても気に入ったので、パンフレットを購入しようとしたのだけれど、なんと、制作されていないとのこと。
これもコロナ禍の影響なのだろうか。ちょっと残念。